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日本人「侮蔑」動画の教訓

Japan In-depth / 2021年7月15日 12時40分

また、バルセロナとスポンサー契約を結んでいる楽天の三木谷社長も「このような発言はどのような環境下でも許されるものではなく、クラブに対して正式に抗議するとともに見解を求めていきます」と、自身のツイッターに投稿し、クラブに対して抗議する意向を表明した。









▲写真 楽天・三木谷浩史社長 出典:Jun Sato/WireImage





一方、フランスのサッカー連盟のノエル・ル・グラエ会長は、「アントワーヌ・グリーズマンのことを思うと、この少年の優しさが伝わってくるし、ウスマン・デンベレも同じだ。彼らは心のある選手であり、オープンで、献身的であり、このビデオが与えようとしているイメージとはかけ離れている。彼らのことを思うと胸が痛くなる」と、選手らに寄り添う姿勢を見せたのだ。





■この論争に対する反応





実のところ、この論争について、 フランスのメディアは 起こったことは伝えてはいるが、そこまで深く突っ込んで語ってはいない。それでも、今回、それなりに多くのメディアがこの論争を取り上げたことには注目したいところだ。





それはやはり、コナミがグリーズマン選手との契約解除したことの衝撃と、FCバルセロナのスポンサーである楽天が抗議の声を発したことで、すでに新型コロナの感染拡大の影響で財政的に危機に陥っていたFCバルセロナが、さらなる存続の危機にさらされたことが影響しているのは間違いないだろう。





また、この件に対する日本人の態度にも以前と比べて違いが見られた。





フランスで書かれている複数の記事を見ても、「1本目の動画では、日本人の従業員を侮辱、もしくは敬意を欠いた行動をし、2本目の動画でアジア人の訛りをバカにする言葉を発したので、差別ではないかと非難されている。」といった書き方で、決して差別であるとは断定はしていない。





このような場合、以前なら、日本人の誰かが「これは差別ではない。騒いではいけない。そんなことで騒ぐのは恥ずかしいことだ。」などと言い出し、わけがわからないままに沈静化させられていた。そして、そんな様子を見たフランスのメディアも、日本人が不満がないなら問題なしと判断し、何事もなかったように終わっていたのだ。実際、今回も、同様の動きがあった。しかしながら、今回のこの論争では、そういった意見に対して強固に反対する声がとても多く、不満を表明し続けたのだ。





それはYouTubeなどで、個人の自由な発言ができるようになっている現在、世界中で、デンベレ選手とグリーズマン選手の行為は明らかによくないことだとし、こういった侮辱や差別的な言葉を発してはいけないと表明している動画が多く上がっていることも影響しているかもしれない。実際、この論争について言及している動画は複数の言語でかなりの数存在しており、日本に住むフランス人から発信された、デンベレ選手とグリーズマン選手を非難する日本語での動画もある。





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