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中国とはどんな国家なのか 最終回 自国民監視と抑圧のテクノロジー

Japan In-depth / 2021年8月4日 23時0分

これらのテクノロジーは将来の情報化時代をだれが主導するかというグローバルの競争を形づくることとなる。つまりその主導役は中国やロシアのような専制国家か、それとも西側やインド太平洋の民主主義国家か、という展望である。





習近平国家主席自身をも含む中国の指導層は情報テクノロジーを第4の産業革命とみなしている。その激しい競争はだれが将来を先導するかを決めることとなる、とみているわけだ。





習近平氏は「人工知能、ビッグデータ、量子情報、生命工学などの一連のテクノロジー革命と産業変革はさらに激しくなっている」と述べている。習氏はこれらの分野での衝撃的な変化は中国がアメリカにとって替わって、グローバルな舞台で優越した地位を占めるための跳躍的な発展への重要な機会を与えることになる、という意味の言葉を述べたのだ。









▲写真 中国、共産党創立100周年を迎える(2021年7月1日) 出典:Photo by Lintao Zhang/Getty Images





中国政府は国家統計局、科学技術省、商務省、工業情報技術省、教育省などを通じて科学テクノロジーの研究開発の資金や国家支出を定期的に公表する。





しかしこれらの統計も中国政府が公表する他の数字と同様に、真実の全体図を示してはいない。





公式の政府の統計は単に中央政府の各省が自己判断の範囲内で経費をいくら使ったかを示すだけである。その発表数字は中国全土の各省や市や郡にその同じテクノロジー関連の分野で、どれほどの額の公的資金が供与されたかは明らかにはしていない。





そのうえ中国共産党が発表を公認するデータには「中国政府指導資金」のような中央政府がテクノロジーの研究開発や商業化を主導するために半官半民の機関に与える投資基金の明確な内訳などはまったく含まれていない。





さらに中国の公的な研究開発や外部のテクノロジー取得のためのサイバー、人的両方の国家スパイ活動の実態もその経費も、きわめてわかりにくい。その種の経費は「ブラック」と称される秘密予算に埋め込まれており、公開されたデータからではまったくわからないのだ。





過去15年ほどの間に中国はファーウェイ、アリババ、テンセントなどという全中国チャンピオンのような巨大企業を先頭にしてグローバルなテクノロジーの主導者の一員として国際舞台に登場してきた。その結果、国際的な関心や注意は単に中国政府主導のテクノロジーへの投資だけに留まらないようになった。





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