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中国とはどんな国家なのか 最終回 自国民監視と抑圧のテクノロジー

Japan In-depth / 2021年8月4日 23時0分

国際的により多くの注意は中国の非政府の企業の研究開発の活動や支出にも向けられるようになったのだ。その種の企業の研究開発費には中国政府も関与している。中国政府の公的な発表を追うだけでは中国のテクノロジーの実態は把握できないことから、近年ではアメリカはじめ多数の諸国で著名なシンクタンクが中国のテクノロジー関連の官民両方の研究開発経費を追跡調査する活動を開始した。





中国政府がテクノロジーに関連して公表するデータには数種類のギャップがある。





一方では中国政府の研究開発活動はそれほど秘密ではない面もある。中国当局は国家重点実験室と呼ぶ全土の主要な研究所が推進し、政府機関の国家自然科学基金委員会によって支援される主要な研究開発プロジェクトについては情報を公表することも多い。中国の科学関連の文献や特許の情報も一般に入手は可能である。





しかし中国の国家支援を受けた、これら研究所は自己の活動について他の民主主義国家のようには決して情報を公開しない。民主主義諸国でならば、その種の研究所は自己の研究開発活動について一般民間からの支援を得ることが必要だから、その活動の内容をきわめて詳しく公開することが必要になるのだ。中国の研究所は民間のスポンサーを探す必要はないわけである。





そのうえに、国家自然科学基金委員会によって2020年に資金供与されたプロジェクトの多くは公表されなかった。テクノロジー移転も透明ではない。





中国の国家当局は科学やテクノロジーの外国での新開発や新発見をみつけて、吸収するために略奪的な投資慣行や秘密のスパイ的な行動に依存することも多い。 





中国政府は外国からの人材徴募計画については以前はかなり透明だったが、最近では隠蔽の動きが目立つようになった。





中国政府は予算や支出に関してはかなり透明にみえるときもある。地方政府のほとんどや中央政府の各省庁も毎年、予算や支出の報告を公表する。だがこの傾向も時によっては変わることがある。最近では中国のインターネット企業が中国側のその種の情報へのアクセスを阻むようにもなってきた。





中国政府は中国共産党の中央レベルの組織の予算に関する情報は公開していない。党中央の委員会の予算については外部ではほとんど知られていない。





諸外国の民間での努力は近年、中国のテクノロジーに関する透明性を改善することに寄与してきた。この種の努力は苦労を重ねながら中国側の海外人材募集計画などについてもなんとか情報を集めてきた。しかし現在では中国側の「海外高次元人材招致計画」(千人計画とも呼ばれる)などはその実態把握が難しくなってしまった。招致された人材についての情報がすべて秘密にされるようになったのだ。





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