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中国とはどんな国家なのか 最終回 自国民監視と抑圧のテクノロジー

Japan In-depth / 2021年8月4日 23時0分

しかし中国の科学、テクノロジー取得の作戦について情報を得ようとする諸外国の民間での試みはここ数年、いくらかの成功をもたらしてきた。中国の公開した予算資料から中国政府のテクノロジーについての優先順位についてかなり知ることができたのだ。





中国政府の民間での監視活動のテクノロジー展開についても、この種の外国の民間での努力の結果、かなり透明となった。中国側が秘密にしようとしたが、その実態がかなり外部にわかってしまった、ということだ。









▲写真 中国のテック・ジャイアント、ファーウェイの内側(2019年4月26日) 出典:Photo by Kevin Frayer/Getty Images





だが中国のテクノロジー開発計画を理解するうえで最大のチャレンジは中国の防衛と国内治安に関する支出が具体的にはなかなかわからない、という点である。アメリカやその他の国際的なシンクタンクの数か所は中国共産党が自国の軍事、諜報、巨大な国内治安維持などの組織にどの程度の予算を計上するのか、その概算を算定することはできたようだ。





しかし実際にどの程度の額が使われたのか、とくにそれら組織の活動に必要な高度テクノロジーの研究開発のためにどの程度の経費が使われたのかを知ることは、現段階では不可能に近い。





人工知能、情報テクノロジー、量子コンピューター、自走車両、その他のテクノロジーは軍隊、警察、諜報に役立つことは明白である。





中国の国家資源は明らかに、国家の秘密の「ブラック予算」からこれら軍用などのテクノロジーの開発へと巨額が投入されている。公開された部分の予算にももちろん軍用テクノロジーなどの開発に注がれる経費は存在する。だがこれらの経費の具体的な額がわからず、推定額を得ても、その正確度の立証が難しいのだ。





そのうえに中国当局は明らかに自国民の監視や追跡、抑圧のための国内テクノロジー開発にも大きな比重をおき、そのための作業を続けている。その手段としては社会信用スコア(国民個人の監視システム)、大規模カメラ監視、顔認証、防火長城(金盾とも呼ばれる巨大なインターネット検閲システム)などがある。









▲写真 中国のテック・ジャイアント、ファーウェイの内側(2019年4月26日) 出典:Photo by Kevin Frayer/Getty Images





この種の国民監視、抑圧用のテクノロジーの研究開発はたぶん公安省や国家安全省の隠された予算によってほとんどが推進されたのだろう。





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