総裁選「自身最大の強みは“聞く力”と“チーム力”」岸田文雄前政調会長
Japan In-depth / 2021年9月14日 21時44分
安倍: 他候補との差別化として自身の最大の強みは何か?
岸田氏: 私は、「聞く力」と「チーム力」だと思っている。能弁に事を語るが、人の話を10分も聞けない政治家がいる。自分が1時間2時間喋るくせに人の話が聞けない、このような政治家が結構いる。やはり議員というのは、人の代わりに議論するわけですから、人の話を聞いてこそ、議員であると思う。「聞く力」は、他の人には負けない。
もう一つは「チーム力」。政治というのは全員野球だ。人を怒鳴ってばかりではチーム力は出来上がらない。また、チームの成果を俺がやったと独り占めするようではチーム力は上がらない。それぞれの能力を生かすために、どういった組み合わせを考えるのか、それぞれを尊重しながらチーム力を考えていく。これがこの時代、結果に繋がると信じている。この聞く力とチーム力、これにおいては私は誰にも負けないと思っている。
安倍: 少子高齢化で子供がどんどん減少しているが、子育て世代へはどのように支援していくのか?
岸田氏: 新しい資本主義、成長と分配の部分においても言ったが、所得の中間層というのはまさに子育て世代と重なる。子育て世代の大きな負担となっている住居費や教育費についてしっかりと支援する。分配というものは、子育てへの支援という意味でも大変重要な視点になる。
また、様々な支援と合わせて子育ての環境整備もしなければならない。その中の一つとして、大都市と地方の格差の話もしている。東京一極集中、東京の過密の状況、これは感染症においても災害においても大きな問題だが、子育て、少子化においても大変大きな問題である。
子育てにとっては必ずしも十分な環境でないなかで、若い人たちが都市に密集している。都市部における子育て環境の整備、様々な施設の充実も大事だが、地方におけるまちづくりを充実させることで、子育てあるいは少子化の解決にも資するような方策も同時に考えていかなければいけない。合わせ技で、子育て、あるいは少子化を考えなければならない。そのためにも、幅広い視野をもって取組んでいく。
安倍: 一極集中も何とかしなければいけないということか。
岸田氏: その通りだ。東京一極集中是正が言われて久しいが、なかなか結果につながってこなかった。しかし、コロナ禍で国民は「集中から分散」の重要性を強く認識している。
今こそ、東京一極集中を是正するチャンスだ。田園都市構想というものが大平内閣にあり、「地方に都市の便利さを、そして都市に地方の豊かさを」がキャッチフレーズだったが、これを現代風にいえば、デジタルの力を活用して、大都市と地方の物理的距離を克服し、誰もが都市と故郷で二地域生活ができるような取組みが大切だ。
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