日米首脳会談、今は同盟深化だ「2022年を占う!」日米関係
Japan In-depth / 2021年12月30日 15時0分
樫山幸夫(ジャーナリスト、元産経新聞論説委員長)
【まとめ】
・岸田首相の初訪米、首脳会談の日程がいまだ決定を見ていない
・アメリカの岸田政権への不信感からという見方があるが、議会対策など先方の都合とみられる
・過去の日米首脳会談は「同盟深化の確認」「懸案の解決」が中心だったが、関係悪化を招いたケースもあった。今回はどうなる?
■ 多かった就任後2カ月以内
日本の歴代首相は、就任2カ月以内にワシントンを初訪問することが多かった。唯一の同盟国に対するあいさつだ。〝参勤交代〟などと揶揄されることが少なくなかった。
就任から間もなく3か月、岸田訪米の日程が決まらないのは、米国から信頼されていないためだという見方がなされている。その真偽はおくとして、早期実現が望ましいのはもちろんだが、時期ではなく内容こそ重要だろう。
過去の日米サミットは、同盟深化の確認、懸案解決などいくつかのパターンに分類することができるが、今回はどういう展開になるのか。
■ 台湾問題で注文の可能性も
菅義偉前首相の訪米は就任半年を過ぎていたが、バイデン大統領がホワイトハウス入りして初めて招かれた外国首脳だった。
この時は、中国にどう対抗するかが大きなテーマ。共同声明には「日米両国は台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに両岸問題の平和的解決を促す」という一節が盛り込まれた。
台湾有事にあたっては、日本もそれ相応の行動をとると事実上、約束したも同然だった。
岸田ーバイデン会談では、菅訪米時より、中国の人権問題、台湾への中国の軍事的威嚇が激しさを加えているなかで、日本に踏み込んだ対応を求めてくる可能性がある。
ちなみに、「台湾」条項は、1969年11月の佐藤栄作首相とニクソン大統領(いずれも当時)の会談の際の共同声明に初めて盛り込まれ、今回はそれ以来。
当時は〝お題目〟として述べておけばよかったが、日本の国際的なプレゼンスが飛躍的に増大した今、安易なことは通用しない。
日本では、安保法制の成立に伴って、集団的自衛権の行使が法的に容認され、重要影響事態、存立危機事態と認定すれば自衛隊の米軍への支援も可能となった。米側は集団的自衛権の行使を念頭に置いた行動を求めてくるかもしれない。
米側のさまざまな出方を予想、その時になって、うろたえるのことなく、「日本はこうする」という明確な回答を用意しておく必要があるだろう
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