スモールサクセスが地域を救う 富山県高岡市カラス問題その2
Japan In-depth / 2022年1月4日 16時22分
出町譲(高岡市議会議員・作家)
【まとめ】
・どんなことでもいいから、早い段階で成功を実感すれば、組織や地域全体が変わる「スモールサクセス」が大事。
・「地下鉄の落書き」一掃という小さな犯罪対策の成功がニューヨークの安全性につながった。
・閉塞感漂う高岡にとって重要なのはスモールサクセスの実感。まずはカラス対策から。
私がカラス対策に拘った理由は、スモールサクセス(小さな成功)こそ、高岡にとって大事だと考えたからです。
私はカラスの問題は、「高岡を元気に 高岡を笑顔なまちへ」と変えていく手始めだと思っています。閉塞感打破の特効薬がカラス退治なのです。高岡にはさまざまな課題が山積しています。少子化、空き家、シャッター通り、福祉、産業振興など、すぐに効果が出るのは難しい問題が多くあります。
高岡にとって重要なのは、目に見える成功体験なのです。
私は経済記者として、30年にわたり、東京、ニューヨークで取材してきました。そこで、数多くの経営者の方々から、変革の手法について学びました。
その中で印象深かったのは、「スモールサクセス」という言葉です。
つまり、どんなことでもいいから、早い段階で成功すれば、組織、いや地域全体が変わるという意味です。一つの成功体験は飛び火するのです。
私が実感したのは、ニューヨークの治安です。
私は1998年から2001年まで家族連れで赴任していました。小さな子ども連れだったのですが、安全でした。家族で夜にマンハッタンでミュージカルを見ても、危険を感じたことはありません。子どもたちも自由に暮らしていました。世界中から観光客も押し寄せていました。
「安全、安心のニューヨーク」。そのきっかけをつくったのは、1994年にニューヨーク市長になったルドルフ・ジュリアーニ氏です。
▲写真 ルドルフ・ジュリアーニ氏(2014年9月) 出典:Photo by Rob Kim/Getty Images
ジュリアーニ氏は、トランプ大統領の顧問弁護士を務め、かつては自らも大統領選挙へ出馬しました。共和党の大物政治家ですが、何より歴史に名を刻んだのは、ニューヨーク市長としての采配ぶりです。ニューヨークを「犯罪の街」から「家族連れにも安心な街」に変貌させたのです。私たち家族はその恩恵を被りました。
ジュリアーニ氏は、元ニューヨーク地区連邦検事でした。治安のプロ、強面の市長というイメージだったのですが、転身した直後に取り組んだのは、「地下鉄の落書き」の一掃でした。これは当初、批判されました。
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