スマイルジャパン快進撃を支える人々 今こそアイスホッケーの面白さを知ってもらう時だ
Japan In-depth / 2022年2月10日 8時20分
そんな父親たちの指導を受け、娘たちは大きく花開いていく。
■ 指導者の思い、そして未来へ
泣いたと言えば、平昌五輪までチームに帯同していた山家正尚パーソナルメンタルコーチも今回のスマイルジャパンの活躍に、感動の涙を流した一人だ。
試合そのものを現在は1ファンとして見ているが、職業柄気になるのは、心理状態が現れる、選手やスタッフの何気ない仕草や表情。
本大会の皆の様子を見ていると、ほとんど動じる事はなく、終始一貫した強い意志が見られ、不利な場面でも怯む様子は微塵も感じられないという。
山家さんはスマイルジャパンが勝っていようが負けていようが、60分間、今この瞬間、自分たちがやるべきことに最大限集中することが出来ているように感じている。
「前回に比べ、メダルを取ることに関して、射程圏内にあることが腹落ちできているため、集中しやすい環境が作られていると思う。また、チームの結束力もさらにアップしている。彼女達は、必ずやると思います。そういう人たちです!」と、頼もしく彼女たちの背中を押す。
チェコ戦で決勝PSを決めた久保選手を含む女子代表を2003〜05年に指導した、現パラアイスホッケー日本代表監督の信田憲司さんも、チェコ戦には感動したと話す。ソチから一つ一つ課題をクリアしてチーム力を上げて行った選手、指導者を褒める。
特にゴーリーの藤本選手のプレー。GWS(ゴールウィニングショット)に注目が集まっているが、オーバータイム終了寸前のバックドアから打たれたシュートを最後まで集中してよく止めたと分析。
久保選手に関しては、「ハナはやっぱり持っていますね。彼女は得点力もあるが、海外選手の強いシュートを身体を張ってブロックする強い気持ちがあります。どの大会でも終わった時には傷だらけ。魅力の一つはシュートの正確性。フィンランド戦でアタッキングゾーン右側のフェイスオフからハナへ繋がって、そこからのワンタイムシュートに期待したいと思っている」
フィンランド戦は守る時間が長くなり、チーム全員でゴールを守り、パワープレーで得点を取りに行く展開になるのではないかと予想する。
とにかく、今、アイスホッケーはこのように大きな注目を浴びている。
この千載一遇のチャンスに、日ア連マーケティング広報委員会村上量委員長は「日本ではマイナースポーツと言われてきたアイスホッケーですが、スマイルジャパンの活躍で、どのチャンネル、ネットニュースを見ても取り上げられている。初めてアイスホッケーを観た人たちが、こんなにエキサイティングなスポーツってあったんだと、口々に言っている。
今は小さな火かも知れないが、その火種を絶やさず大きな炎にしていくのが私たちの仕事。こちらも本気で頑張るので応援して下さい。
全国の子供たちがホッケーを始め、次代のスマイルジャパンになる日を夢見て」と、前を向く。
トップ写真:世界ランキング6位のアイスホッケー女子日本代表「スマイルジャパン」は2月8日、北京五輪1次リーグB組第4戦で同7位のチェコと対戦。女子予選ラウンドグループBの試合は延長戦で決着がつかず、シュートアウトまでもつれ込み、チームチェコ共和国に勝利。歓喜する選手達。史上初の決勝トーナメント進出を決めた。(2022年2月8日中国・北京) 出典:Photo by Bruce Bennett/Getty Images
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