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ウクライナ侵攻 ロシアにも三分の理

Japan In-depth / 2022年2月27日 11時0分

ウクライナ侵攻 ロシアにも三分の理


清谷信一(防衛ジャーナリスト)


【まとめ】


・ロシアのウクライナへの侵攻は、欧米など西側の責任も小さくない。
・過去の例をみると、西側政府の主張、報道が公平で事実に則したものかは疑わしい。
・戦争や紛争においては、メディアに流れる情報には気をつけるべき。


 


ロシアのウクライナ侵攻は西側が招いた。


ロシアのウクライナへの侵攻が始まった。筆者は欧米など西側の責任も小さくないと考える。筆者は無論、現在の国際社会において武力によって自国の意志を強要したり、あるいは現状を変更することは許されないと考える。


だがロシアを追い込んだ責任は西側にもある。しかし西側の政府やメディアはロシア=悪、ウクライナ、西側=正義といった単純化された構図で、目先の事象だけを報道しているように思える。


戦争や紛争においては、メディアに流れる情報は気をつけてみるべきで、報道を鵜呑みにするべきではない。ましてやツイッターなどSNSで流れてくる情報を鵜呑みにするのは論外だ。


メディアは以前から目先の情報に飛びつき、近視的な報道が多い傾向にある。現状だけを報道し、歴史的な事実や、これまでの経緯をあまり解説しない。結果、意図するしないに関わらず、政府などの情報操作、世論操作に協力することが多い。そして後になって出し遅れの証文みたいな検証がなされる。


つまり以前から戦争紛争では当事国や関係諸国による意図的なリークやフェイクニュースによる世論誘導がなされてきた。そして今日ではSNSなどが発達し、併せてハイブリッド戦という概念での情報発信も含めた情報合戦が戦争自体を構成するようになっている。このため戦場で勝ってもプロパガンダで負けるなどということは増えている。


バイデン米大統領らは「武力による現状変更は許されない」と批判している。確かにその通りだと思うが、バイデン氏ら西側諸国の指導者にその発言をする権利があるか、大いに疑問がある。


そもそも今のウクライナ政権は2014年に親ロシアの前政権を「武力による変更」で倒して、政権を奪取している。


確かに前の政権は極右、ギャングなどゴロツキの集まりだった、今の政権も同様に「ゴロツキ」が作った政権だ。これを西側諸国は「親欧米」政権ということでその成立を支援し、承認してきた。つまり「武力による変更」を支持し、内政干渉を行った。



写真)キエフ市内の暴動 2014年1月23日 ウクライナ・キエフ
出典)Igor Petrov/GettyImages /


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