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ウクライナに手を焼くプーチン NATO加盟がカギに

Japan In-depth / 2022年4月19日 18時0分


写真)ロシア軍撤退後に廃墟と化したキーウ北西部の町ボロディアンカ。(2022年4月5日)


出典)Photo by Anastasia Vlasova/Getty Images


実際、オランダのハーグ国際刑事裁判所(ICC)は4月2日、ロシア軍の戦争犯罪、人道に対する罪、集団殺人(ジェノサイド)の罪で操作を開始したと発表。カーン主任検察官が14日、多数の民間人の遺体が発見されたキーウ近郊のブチャとボロジャンカを訪問し、本格的に捜査に入るとICCが明かした。マリウポリはロシアの降伏要求を拒否したと伝えられている。


 ウクライナの大統領ゼレンスキー氏は、オンラインを通じて「スイスの銀行はロシアの資産と口座を完全に凍結すべきだ。ロシア人顧客の資産は総額19兆円~25兆円に上っている。ウクライナでは多くの子供たちが殺されている。あなた方もウクライナと一緒に悪と戦ってほしい」「独立国家として妥協できないことはある。領土の一体性であり我々の主権だ」「ただ私には交渉する用意がある。交渉しなければ、この戦争を終わらせることはできない。もしこの試みが失敗すれば第3次世界大戦を意味する」と述べ、「プーチンとの交渉だけがさらなる戦争を防ぐために必要だ」と表明している。


 これに対しプーチンは「欧米のロシアに対する経済制裁は宣戦布告に等しいものだ」と警告し、「制裁を受けてもロシアの発展は可能だ」と主張している。プーチンはウクライナの非武装化と中立化を掲げ、ゼレンスキー大統領に全面降伏の受諾を迫っている。


中立化構想はウクライナ側も構想しているが、ロシアの中立化構想とは内容が違っており、具体的な中立化議論になると簡単にはまとまらない可能性が強い。プーチンの考えは、ロシアから独立した衛星国をもう一度、ロシア指導の下で統一し、旧ロシア連邦を再構築しようということにあるのだ。従ってウクライナの支配が成功すれば順番に他の旧ロシア連邦化の国々も統一ロシアに組み込もうと狙っている。


NATO東部地域にはバルト3国、ポーランドなど約10ヵ国が存在し、兵力などの提供を伝えている。北欧のスウェーデン、フィンランドなどもロシア軍の侵攻を警戒しているのである。このため旧ソ連邦から独立した国々は身を守るため、EUに参加したりNATOに加盟して防衛体制を作ろうとしている。ロシアがウクライナを攻めたのも、ウクライナがNATOに加盟することを阻止したいためなのだ。NATOの一員になれば、加盟国が攻撃された時は、NATOが一体となって守ることを原則としている。逆にロシア側からすればウクライナがNATO入りすれば、ロシアにとって東方に拡大するNATOと隣り合わせになるため、何としてもウクライナの独立やNATO入りを阻止したいということになるわけだ。


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