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ウクライナに手を焼くプーチン NATO加盟がカギに

Japan In-depth / 2022年4月19日 18時0分

ウクライナ問題の背後にはロシア対NATOが隣合わせになる状況が迫ることを意味しており、ロシアとしてもNATOが背中合わせになることは何としても避けたいのである。ウクライナがNATOの一員になれば、ウクライナに一旦、事が発生すればNATO全体で対応するという盟約が生きてくるだけに、ロシアとしてもNATO勢力がロシアの隣り合わせに位置するような構図は地政学、戦略論から言っても好ましくないのだ。


■旧東欧のロシア統治を目論むプーチン


 プーチンとすれば、旧ソ連の統治下にあった国々がNATO入りし、ロシアに近づいてくるのを避けるため、旧ソ連統治下にあったウクライナ、スロバキアなど旧東欧の約10ヵ国を再びロシア連邦の統治下に置きたいのだ。しかし、現実の動きはNATOが東方拡大し、ロシアに接近してきているのが実情となっている。それだけにウクライナの反発はプーチンにとって許せないものと映るのだろう。


 ただ、プーチンのウクライナ攻めは血も涙もない残忍なものだが、ウクライナは戦力では劣っているものの、抵抗はすさまじく、遂にロシアは首都キーウの制圧を一時的にあきらめ、主戦場を東部のマウリポリに移し、2014年に制圧したクリミア半島と回廊を作る作戦に変更し始めた。ロシア軍のミサイル攻撃や砲撃でマウリポリは孤立し、市街は壊滅状態になりつつある。


 こうした情勢を受けアメリカ、イギリス、フランスなどの欧米首脳は、3月24日にベルギー・ブリュッセルに集結した。「我々は一丸となってNATOの領土の隅々まで守り抜く」とし、ロシアの前線となるバルト海から黒海までの8ヵ国にNATOの戦闘部隊を置くことを決めている。ウクライナにEUは約1300億円、アメリカは1600億円の支援を決め、供与した対戦車ミサイルなどがロシアの前進を阻んでいるという。またバイデン米大統領は、「プーチンは戦争犯罪人だ。彼は21世紀において民主主義は機能せず権威主義の支配を確立することを目論んでいるようだが、我々は民主主義陣営を結束させて対抗する」と宣言。国連の人道決議に140ヵ国が賛成したことはロシアに対する強力なメッセージだと指摘している。


 またロシアの侵攻を批判せず、制裁に反対している中国に対しても、アメリカは「ロシアを支援する行動への責任は中国が負うことを明確に伝える」と述べ、中国がロシアへの支援に踏み切った場合には代償を科すことをためらわない」と警告している。


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