ゴム製履帯の可能性 後編
Japan In-depth / 2022年5月1日 11時35分
同社の壁透過レーダーは人民解放軍に採用されているが、多くの派生型が開発され、更に民間型も開発して輸出を行っている。つまりは軍が採用しただけでなく、軍民両市場で販売して一つのビジネスとして成立している。開発だけで終わった技本の研究と比べてどちらが企業の利益と防衛技術基盤の維持に有利か、言うまでもあるまい。
装備庁の研究開発を請け負っても企業にはその場限りで、ビジネスに拡大させる機会もないし、その気もない。リスクを負わずに防衛省に寄生していればいいという、後ろ向きな体質が出来上がっている。
他国では当たり前の、官民ともに防衛産業をビジネスと捉える常識が我が国にはない。今回ご紹介したCRTは、ビジネス展開を前提に自衛隊の装備として開発すればこのような現状を変える一石になるのではないだろうか。
<参考資料>
・IDR(International Defence Review誌2021年10月号の「Continuous revolution: The rise of Campsite Rubber Track technology」
Soucy社サイト https://www.soucy-defense.com/advantages/
・防衛装備庁サイトより
ゴム製軽量履帯 https://www.mod.go.jp/atla/research/dts2012/R1-5p.pdf
・軽量ゴム履帯の材料特性
https://www.mod.go.jp/atla/research/dts2013/R3-3.pdf
・軽量化履帯の研究
https://www.mod.go.jp/atla/research/ats2015/image/pdf/P10.pdf
・我が国の装甲車開発を踏まえた次世代水陸両用技術の成果と今後の展望https://www.mod.go.jp/atla/research/ats2019/doc/inoue.pdf
(前編はこちら)
トップ写真:防衛省と三菱重工が開発中の水陸両方装甲車(筆者提供)
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