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人権に鈍感な日本 ウクライナ集団墓地・拷問施設、日本もモノをいえ

Japan In-depth / 2022年9月24日 23時40分

人権に鈍感な日本 ウクライナ集団墓地・拷問施設、日本もモノをいえ




樫山幸夫(ジャーナリスト、元産経新聞論説委員長)





【まとめ】





・ウクライナ東部でみつかった拷問施設、集団墓地について、日本政府は何のコメントもしていない。





・人権問題への消極姿勢はいまに始まったことではない。過去には各国と逆の行動をとって協調を乱したこともあった。





・日本はロシアのウクライナ侵略以来、強力な制裁を発動、健闘してきた。息切れすることなくロシアへの非難を続けるべきだ。





 




人権問題に日本はまだまだ鈍感なようだ。


ウクライナ東部で最近みつかった拷問室、集団墓地が国内でも大きく報じられているが、政府からは厳しい非難、今後どういう手段をとるべきかの議論が、全くと言っていいほど聞かれない。


日本は過去、人権問題をめぐって軽い対抗策にとどめ、ときには各国と逆行するような対応をとったこともある。


中国や北朝鮮の人権状況が改善されないのと同様に、日本の人権問題に対する意識が向上しないのもやはり残念というべきだろう


■ 特別法廷の提案、広がる国際的な糾弾


ウクライナ東部ハルキウ州でロシア軍撤退後の今月中旬、10か所にものぼる拷問室(torture chamber)が見つかり、同州イジュームの集団墓地からは、首にロープをまかれるなど、拷問の後のある遺体が約500体掘り出されている。


拷問にかけられながら生き延びた人たちの証言、現地からの報道などによると、拷問室はロシア軍占領地のビル、鉄道の駅などに設置されたみせかけの〝警察署〟に作られた。


拷問は電気ショックなどで行われ、悲鳴が周りに聞こえるようにと、換気装置のスイッチを切って音を消す周到さだったともいう。


想像を絶する冷酷さに驚きながら、各国は直ちに非難、糾弾の声を上げた。


米国家安全保障会議のカービー戦略広報調整官は「ロシアによる戦争犯罪であることを明確にするため国際的努力に積極的に協力する」との方針を表明した。


フランスのマクロン大統領は、戦争などでの残虐行為を意味する「atrocity」という極めて強い言葉を使って非難。9月のEU(欧州連合)議長国、チェコのリパフスキー外相は、ウクライナでの個々の戦争犯罪を捜査している国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)とは別に、ロシアの侵略戦争自体を裁く特別法廷を設置して、プーチン大統領らを訴追すべきだと主張している。


■ 岸田首相、国連演説でもふれず


こうした動きとは裏腹に、日本国内ではまったくといっていいほど、反応、議論がみられない。


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