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自衛隊に当事者能力がないので、防衛費を上げても防衛は強化できない

Japan In-depth / 2022年12月3日 23時0分


写真)AH-64D


出典)自衛隊


AH-64Dは2025年でサポートが終わる予定だったが、現在多少延長が決まっている。そでもそう長い期間ではないだろう。そして陸自のAH-64Dは飛行可能な機体が5~6機、戦闘可能な機体は2~3機に過ぎない。つまり部隊としては全滅状態だ。


当然AH-64D導入で更新されるべきだった、AH-1Sは旧式化、老朽化が進んで現代の戦闘には耐えられないし、稼働率も大幅に下がっている。だが陸幕はこれらに変わる攻撃ヘリの調達計画すらなく、これら戦闘不能な部隊を解散するわけでもない。決断ができないのだ。対して韓国や台湾は新型のAH-64Eを数年で導入、戦力化している。


旧式化したOH-6に変わる、川崎重工が開発した国産のOH-1も当初は250機ほどが調達される予定だった。だが、1機6億円程度のOH-6と比べて、調達コストが24億円ほどに高騰したOH-1は調達コストの上昇と、コスト上昇による調達機数の減少によって、欧州のベンダーが手を引き、結果34機の調達で終了した。純国産ヘリと言われているが事実ではない。



写真)OH-1


出典)自衛隊


しかも2015年8月に三菱重工製のエンジンに不具合が見つかり、全機について飛行停止措置が取られた。 一部の機体を改修して飛行試験が行われた。2019年3月1日に飛行停止措置は解除され、改修費用等も予算に計上され2022年4月時点で10機程度が飛行を行えるようになった。防衛装備庁によると全機の改修には9年がかかるという。現時点でも部隊としての運用は7年も止まっていることになる。エンジン改修は1台あたり6千万円、これを2台搭載しているので1機1億2千万円、更にギアボックスも改良が必要なので1機当たり1億五千万円はかかるだろう。


しかもOH-1は偵察ヘリとしての能力が低い。未だにリアルタイムの画像やデータ送信ができず、基地に帰投してVHSに変換する必要がある。このような時代遅れのヘリに50億円(テスト費用別)もの費用を掛けて飛行可能にする必要があるのか。


そもそも生産機数も少なく、専用の国産部品を多く使っているので外国製ヘリの何倍も維持整備費がかかる。更に申せば2020年に全機退役したOH-6は搭乗員以外の乗員2名あるいは貨物が積めたが、OH-1にはそれができない。このため陸自には連絡や軽輸送ができるヘリが無くなった。


陸自の汎用ヘリはドアガンとして5.56ミリのMINIMI機銃と12.7ミリのM2機銃を採用しているが両方ともドアガンには向いていない。MINIMIは射程距離も威力も低すぎる。ドアガンは相手に命中させるよりも、相手の攻撃を牽制する目的があるが、射程が短いので敵の火力に対する牽制にもならない。空自の救難ヘリもMINIMIを使っているが全く意味ない。M2機銃の威力は高いが俯角で射撃すると機構的に弾づまりを起こすことが多い。また発射速度も低く航空用に向いていない。米軍では7.62ミリの機銃(ガトリングガン含む)や、航空用に設計されて発射速度が高く、軽量な12.7ミリのM3機銃を採用している。


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