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松田大使インタビュー「和平協議の見通し立たず」【2023年を占う!】ウクライナ 

Japan In-depth / 2023年1月3日 11時0分

ーこの冬を乗り切ることができるか





松田大使: 「前線に近い東部や南部から、依然ライフラインが保たれている西部に向かって一時的に避難する人が増えているとの報告もある。市民は、それぞれに工夫して厳冬を乗りきる態勢をつくり、互いに助け合っている。私のウクライナ人の知人は、自分自身も停電で困っているにもかかわらず、外国人である私のためにわざわざキュウリとキャベツの酢漬けを持ってきてくれた」





■ ウクライナ軍、夏以来の優勢を継続





ー戦局が日本では最近あまり報じられないが





松田大使: 北東部のハルキウ州とルハンスク州の境から東部ドンバスを貫いて南東部のザポリージャ州、南部ヘルソン州に至る約1500キロにわたって、悪天候を衝いて激しい戦闘が毎日続いている。 このうち、ロシア軍がいまだに攻勢を続けているのは、ドネツク州 のバフムート市の近郊などわずかに過ぎない。それ以外のほとんどの戦線でウクライナ軍が8月の反転攻勢以来の優勢を継続、ロシア軍は防戦に追われている」。「ウクライナ軍の発表によれば、同軍は、ザポリッジャ州のアゾフ海に面しているメリトポリ市 などへの攻撃を強化している。劣勢を強いられているロシア軍は、 1週間ー10日に1回程度の割合で民間施設に対するミサイル、ドローン攻撃を継続している」









▲写真 ウクライナのコンスタンチノフカの建物がロシアの爆撃により燃え上がる(2022年12月28日)出典:Photo by Pierre Crom/Getty Images





ー〝銃後の守り〟を強化するため、ウクライナ全土に「不屈の拠点」が設置されていると聞くが。 どんな役割をしているのか





松田大使: 「11月から、内務省非常事 態庁がエネルギー・インフラに対する攻撃による大規模停電、断水などに備えて対策を開始、解放されたばかりのヘルソン市に最初の 「不屈の拠点( point   of   invincibility)」を設置した。学校など公共施設に常設されるタイプ と公園などに設置される移動式大型テントのタイプがある。





ーどんな設備、機能を備えているのか?





松田大使: いずれも発電機、充電用コンセント、暖房器具などのほか、飲食もでき、Wi-Fiも使用可能だ。応急処置の簡易ベッドが備えられ医療関係者が常駐している。 子供のための遊戯、塗り絵コーナーを備えているところもある。緊急時に市民は誰でもここで無料サービスを受けられる。市民の忍耐力、対応力の向上に貢献している。現在、ウクライナ全土で5500カ所の設置を目標に作業が進められている。









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