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松田大使インタビュー「和平協議の見通し立たず」【2023年を占う!】ウクライナ 

Japan In-depth / 2023年1月3日 11時0分

ークーデターによるプーチン大統領の失脚、ICCによる訴追など、 多くの人たちの〝期待〟が実現することはないか





松田大使: ロシア国内における社会不安、政治情勢については、確たる情報がない。戦争犯罪については、ウクライナ検事総局や内務省国家警察などがすでに5万件以上のケースについて立件に向けた証拠収集を開始している。国際刑事裁判所(ICC)も集団殺害(ジェノサイド)を含む戦争犯罪の捜査を行っている。ロシアによる侵略自体の罪については、ウクライナ政府や欧州委員会が特別法廷の設置を提唱している。





■ 日本の支援、当面は厳冬対策が中心





ー日本は今後、どんな支援をするのか。地雷除去技術の供与などともいわれているが。来年はG7議長国であるのでそれにふさわしい協力が必要と思うが。





松田大使: 強力な対露制裁を科し、人道、財政支援、自衛隊装備品提供などを積極的に行ってきた。当面、この冬の寒さをしのぐための発電機、越冬用品などが必要だ。すでに国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)を通じて、発電機やソーラー・ランタンの供与を開始している。使い捨てカイロや保温下着を提供、『不屈の拠点』 で配布すれば、市民生活に役立つだろう。  12月2日に、ウクライナ及び周辺国に向けて約5億ドルの追加予算措置を行った。占領地解放後の経済・社会活動再開、住民の帰還を見据え、仮設住宅、地雷除去、がれき処理、病院、学校、電力等の分野で支援していく。









▲写真 12月20-22日、日本政府がウクライナに送った発電機(「ウクライナの人々に発電機を送る越冬支援イニシアティブJAPAN」からウクライナ政府に寄贈された4台を含む25台)が現地に到着 出典:外務省facebook





■ 男たちと家族、別れの抱擁に感動 





ー2023年の見通しは。ロシアが年初に大規模攻撃を仕掛けるとも伝えられているが





松田大使: ロシア軍による新たな攻勢に関しては、ウクライナ政府、軍が情報収集、分析を行っているが、現時点で確たる見通しを述べることは困難だ。





ー2022年2月の侵略開始以来、 さまざまなことがあったと思うが、よくも悪くも、もっとも印象に残っていることは





松田大使: これまでを振り返ってみて、脳裏に鮮明に浮かぶのは、3月初め、最後まで残ってくれた館員と一時国外退去したとき、国境の検問所で目撃したシーンだ。 (灯火管制の)暗闇の中、母や妻子、姉や妹を見送って来た父親、 夫、兄弟らが、家族と無言の抱擁を交わし一人、また一人とウクライナ国内に戻って行った後ろ姿だ。戒厳令下で成人男性は、原則として出国が禁じられているからだ。2023年こそは、無益な侵略戦争に終止符を打ち、離散した家族 たちが再会できることを祈っている。





トップ写真:ウクライナ兵がアメリカのM777 155mm榴弾砲を前線で使用する(2022年12月29日)出典:Photo by Pierre Crom/Getty Images




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