コロナワクチンの接種は続けるべきか、もう打ち止めにしていいのか
Japan In-depth / 2023年2月9日 23時0分
「研究対象者のワクチン接種歴」という表がある(表2)。これを見ると接種歴で細かく分けられているのだが、単純化するために接種の有無でざっくり分けてみると、未接種者435人中陽性者は268人(62%)、接種者の合計は記載されていないので手計算で合算すると、3,566人中1,801人が陽性(51%)と少し差があるように見受けられる。次に接種1回から5回までの陽性者と非陽性者の数字を比べてみる。
21人対25人(接種1回)、492対435人(接種2回)、1,010人対999人(接種3回)、262人対288人(接種4回)、16人対18人(接種5回)
上述したように対象者全体の陽性率は52%すなわち約半分だから、この内訳の比率も納得の数字である。しかしワクチン接種回数にかかわらずどのグループでも陽性者と非陽性者がほぼ半分だから、接種回数を多くしていっても感染予防効果は上がっていない。平たく言えば1回打っても5回打っても同じ。というのも今回の解析では対象者を登録した約2か月間という短い期間内のコロナ発症予防効果を見ているだけで、ワクチン接種後の全期間におけるコロナ感染の有無を見ているわけではない。
要するにワクチンを打ってからある程度の日数が経過してしまったら(おそらく3か月以上)、それまで何回ワクチンを打っていても元の木阿弥になってしまうということだ。つまり、少なくとも発症予防に関しては長期的に持続するような蓄積効果はなさそうで、この報告の中でも「接種回数よりも接種からの期間が有効率に影響を与えることが示唆されている」と説明されている。
それでも特にオミクロン対応 2 価ワクチンに限定すると、発病予防効果が高い(有効率で69‐73%)と報告しているので、これに関してもう少し詳しく見ていくことにしよう。
そもそも解析対象となった4,040人中、オミクロン対応 2 価ワクチンを接種した人は192人しかいないのだが、このうちコロナ陽性者87人(45%)に対して非陽性者105人(55%)という結果だった。
ここで注意しなければいけないことは、オミクロン対応 2 価ワクチンを接種した人はすべて接種後3か月以内でワクチン効果がもっとも高い時期にあるということだ。しかし、この報告には従来型の1価ワクチンを接種した人でも接種後3か月以内の人が最大で492人含まれていて(最大という意味は、なぜか接種1回のグループのみ接種後経過期間で分けられていないため)、その陽性率はコロナ陽性者206人(42%)、非陽性者286人(48%)だった。
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