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日韓シャトル外交の復活

Japan In-depth / 2023年5月11日 23時0分

しかし尹政権はこの問題には極めて慎重な姿勢で臨まなければならない。放射能はどの国の国民でも恐怖の対象であるばかりか、特に左派系韓国国民は反日に絡めて極端な反応を示す傾向があり、従北朝鮮左派勢力がそれをデマ扇動で政治利用するからだ。


2008年の狂牛病(BSE、牛海綿状脳症)騒動の際、「米国で狂牛病の牛が新たに発見されても直ちに輸入を中断することはできない」という条項が、国民の健康を見下す検疫主権の放棄と認識され、市民の怒りが膨らんだ。そこにMBCテレビが捏造したデマ映像が流され「ろうそくデモ」が拡大し李明博政権は出鼻をくじかれた。2016年の朴槿恵大統領弾劾のときもJTBCテレビが放映したデッチ上げのタブレットPCがきっかけとなった。


保守政権当局者のささいな一言や発言が、国民の感情を刺激することを熟知している韓国の「民主労総」と「共に民主党」そして北朝鮮は、この問題での尹政権の対応ミスを虎視眈々と狙っている。岸田首相が、今回の首脳会談において福島原発処理水問題で韓国の視察団を受け入れたのは、こうした状況に配慮したものと思われる。


■ 竹島問題、慰安婦像問題、自衛隊機照射問題は継続議題


 今回の韓日首脳会談では、竹島(独島)、慰安婦像、自衛隊機照射問題などはあえて議題にしなかった。尹政権の政権基盤が固まり、韓米日協調体制が一層強固になれば、こうした問題も議題に上るだろう。物事を解決するには手順がある。難問は後回しにするのが上策だ。ところが、日本における嫌韓派政治家は、こうした難問の解決なしには日韓関係の改善はあり得ないと主張する。戦略的発想がなく難問解決の智恵もない、為(ため)にする無能な主張だ。


今後の日韓、韓日関係を改善する上で、いま最も障害となっているのは、こうした日本の嫌韓勢力と韓国の反日左派勢力である。この2つの勢力は、立ち位置が違うのだが、日韓、韓日関係改善を妨害する上では妙にシンクロナイズしている。


トップ写真)韓日首脳会談にて、握手を交わす日本の岸田文雄首相と韓国の尹錫悦大統領 2023年3月16日 東京・首相官邸


出典)Pool /Getty Images News


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