「昆虫食」を食べてみた!
Japan In-depth / 2023年5月17日 18時0分
写真)ミズアブの成虫と幼虫
出典)Tomasz Klejdysz/GettyImages
生ゴミも食べるというこのミズアブは人類のタンパク源になるだけでなく、飼料や肥料にもなる究極の昆虫食だと霜田教授は評価する。しかし、ミズアブを大量に育てるシステムはまだ構築されておらず、今後の研究開発に期待がかかっている。
■ 社会の根強い抵抗感
この昆虫食、日本では批判の声が根強い。
2022年11月、徳島県立小松島西高校で全国初となるコオロギの粉末を使った給食が提供され、批判が殺到したという出来事があった。
給食ではコオロギパウダーを使用した「かぼちゃコロッケ」が出た。食物科の生徒達が考案したものだった。そして、生徒は食べるかどうか選択することができたという。持続可能な食に対して理解を深めようという試みだったが、それをネットニュースなどでみた人達が学校に批判の声を寄せたのだ。曰く、「昆虫食の安全性は担保されているのか」、「それを給食で出す必要はあったのかな」などなど・・・。
写真)左から順に「グリラスかぼちゃコロッケ」、「メニュー全体」、調理風景
提供)株式会社グリラスプレスリリース
昆虫食への批判はいろいろあるが、よく聞くのが「持続的な食生活について考えた時に、昆虫食よりも先にフードロス問題など他にできることがあるのではないか」というものだ。
今までの食生活から考えて、多くの人は「生理的に昆虫を食べるのが嫌だ」という感覚を持っているだろう。実際にある調査では、「避けたい食品」について聞いたところ、昆虫食を「絶対に避ける」または「できれば避ける」と回答した人は合わせて90%近くにのぼったという。
こうした数字を見ると、昆虫食を社会に浸透させていくためには、環境負荷のメリットや栄養価について広めていくだけでは不十分だと思われる。
いかに人々が抱いている昆虫への嫌悪感を減らすことができるか、また嫌悪感を抱かないような見た目の商品開発を行うことなどが課題になってくるだろう。
■ 昆虫食を実食!
こうしたなか、昆虫食を実際に食べられる店があると聞きつけ、編集部は東京・渋谷にある「米とサーカス」渋谷パルコ店」(東京都渋谷区)に行ってきた。
「米とサーカス」は「野生鳥獣と昆虫に注目し、先入観を捨てて美味しく楽しく多様な食文化に触れてもらうこと」をコンセプトにした飲食店で、亜細亜Tokyo World株式会社が運営しており、都内に複数店舗展開している。
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