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沖縄基地問題の新局面③ 「自衛隊配備」で漂流する政治

Japan In-depth / 2023年6月3日 0時0分

▲図 陸自石垣駐屯地完成イメージ図 出典:石垣市「石垣駐屯地説明会」





しかも、説明会が1時間に限られたことなどで、革新系の多くは欠席する。また、自衛隊基地新設は既成事実であり、マスコミや一部の政治家や有識者が騒いでいるだけと冷めた見方もあった。「戦争は起きるはずがない」という楽観論、「起きたら最後だ」という悲観論、「決まっている計画を聞いてどうする」という諦めが交錯した。





市民の関心が薄らぐ中、1,000人収容の会場に約170人しか集まらず、空席が目立った。









▲写真 石垣駐屯地説明会(2023年3月22日)提供:石垣市議会議員





一方、かつて陸自部隊配備をめぐって賛否が分かれ、激しい対立を経験してきた与那国町での駐屯地説明会は、5月15日に開催された。





同町では、2008年に町議会が自衛隊誘致を決議する、それに反発したグループが、2009年の町長選挙で候補を立て抵抗したが、誘致派の外間守吉現職町長(当時)に敗れた(619票対513票)。





そして、2016年に陸自監視部隊が駐屯する。その後、一部の反対派議員が容認に転じ、町議会では現在、容認派が圧倒的に優勢だ(10議席中7議席)。









▲写真 陸上自衛隊与那国駐屯地 出典:防衛省









▲写真 防衛省与那国住民説明会(2023年5月15日)提供:与那国町議会議員





外間氏は、人口減に苦しむ同町が人口増と経済活性化を達成するには、自衛隊誘致しかないと主張したが、政府からの強い働きかけがあったとの指摘もある。





さらに、防衛省は当初、与那国に駐屯するのは「監視部隊」としただけに、ミサイル部隊の新設に唐突な印象を抱く町民が多く、自衛隊を誘致してきた外間前町長や議員たちも当惑する。





与那国に配備予定の地対空ミサイルは、あくまで迎撃用で、攻撃的な兵器ではない。しかし、監視部隊の駐屯地に、「いつの間にか」ミサイル部隊新設が決定されたことで、政府は勝手に方針を変えると警戒する向きもある。与那国配備のミサイルも、将来、敵基地攻撃が可能な長射程型に置き換えられるのではないかとの憶測を呼んだのだ。









▲写真 陸自石垣駐屯地に配備される12式地対艦誘導弾 出典:陸上自衛隊補給統制本部





糸数健一町長の言動も物議を醸す。沖縄防衛局などから得た情報を議員と共有せず、テレビのインタビューでは、「国防が一番大事」などと語るなど、タカ派色の濃い、独断専行型の同町長には、支持者からも疑義が出ている。





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