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中国料理の海外普及と文化遺産化

Japan In-depth / 2023年6月14日 7時0分

次に、岩間氏は中国の国家級の無形文化遺産になっている螺蛳粉(タニシビーフン)について紹介した。うるち米で作ったつるつるのビーフンにタニシを煮込んだスープ、様々な具とラー油をかけて食べる中国広西チワン族自治区の柳州発祥の料理だ。


タニシ風味が効いており、非常にスパイシーながらも癖になる味だ。タニシビーフンは中国の歴史の発展とともに発展してきた料理でもあり、たった40年前にできたにもかかわらず、今や中国の無形文化遺産に登録されている。


タニシビーフンが広まった理由としては、タニシビーフンの専門店だけでなく、レトルト商品にもなったためだ。コロナで巣ごもり需要が高まると同時に、若者も食べるようになった。中国の人民日報によると、2021年に習近平は以下のようにコメントしている。「本当に驚きだ!ビーフンでこんなに大規模な産業をつくるとは、容易なことではなく、研究して総括するに値する」。


今回、講演を受けた後に高田馬場にあるタニシビーフン専門店「螺友(ラ・フレンド)」に行ってきた。ビルの4階にあるお店で、エレベーターに乗った瞬間からタニシビーフンの匂いに襲われた。中国人が経営するガチ中華のお店で、訪れた際にいた顧客も全員若者の中国人だと思われる。注文するには中国のアプリ微信(WeChat)が必要で、日本人にとっては少々不便だ。メニューには様々な種類のタニシビーフンがあるが、今回は汁無しの干炒螺蛳粉を注文した。


辛さ設定を超辣 (激辛) にして料理の提供を待っていたところ、突然店員がくしゃみをし出したのでびっくりした。音に反応して厨房の方に顔を向けると辛さMAXの胡椒の刺激が鼻にきて、私もくしゃみをしてしまった。その後、部屋中に胡椒の匂いが蔓延し、顧客全員がくしゃみをし出すという滑稽な展開となった。店員によると汁なしのタニシビーフンを調理する際には、どうしてもこうなってしまうのだそうだ。


口にすると確かに癖になる味だ。激辛に加えて少し甘酸っぱく、汁なしでもスルスルと食べてしまう。干炒螺蛳粉 1180円にはデフォルトの具として落花生や小松菜、ウィンナー、油揚げが入っていた。決して安くない値段だが、一度食べてみる価値はある。


さて、食レポはこの辺にして本題に移りたいと思う。


 


■ 中国料理の発展史


中国料理といっても一枚岩ではなく、大きく東西南北で分かれている。北京、上海、広東、四川の4大経済圏に地方料理が重なっているのだ。12世紀に中国料理は、北、南 (上海辺り) 、四川料理の3つができた。そこに広東が加わって四大料理になったのは1500年代であった。


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