誰も幸せにならないLGBT法案 住みにくくなる日本 その2
Japan In-depth / 2023年6月20日 11時0分
紙数の関係上、詳細については他のニュースサイトなどを参照していただくしかないが、原案で「差別は許されない」とあったものが「不当な差別はあってはならない」に改変された。そもそも、この世に「正当な差別」などあるのか。これは決して揚げ足を取るようなことではなく、前述の橋本愛の発言は「区別がベター」を「差別の肯定」にすり替えたわけだが、この法案では逆に「同性カップルなど見るのも嫌」という差別発言を「それは貴方の感想ですから」と不問に付す余地が残された。少なくとも、当事者からはそのように受け取られている。
定義も、各自の「性自認」から「ジェンダーアイデンティティー」と言い換えられた。
意味的に同じではないか、との反論もあり得ようが、これはもともと「性同一性」とすべきだとの意見に配慮した、お得意の玉虫色解決に過ぎないのだ。性同一障害であれば、複数の医師による診断が必要とされる。要はLGBTも「一種の障害」だとの誤解を広めてしまうリスクについては、一顧だにされていないと言われても仕方あるまい。
このように、当事者を含めて異論が噴出している法案を、時間をかけて審議することもなく成立させてしまう日本の政治こそ、抜本的な改革が急がれる。いたずらに「世界の大勢」に迎合しても、国民は誰も幸せにならない。
トップ写真:東京レインボープライド2022での行進(2022年4月24日 東京・渋谷区)出典:Photo by Yuichi Yamazaki/Getty Images
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