トランプ前大統領の4回目起訴の虚実
Japan In-depth / 2023年8月25日 23時0分
古森義久(ジャーナリスト/麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視」
【まとめ】
・トランプ氏が4回目の起訴に対し被疑者としてジョージア州の拘置所に出頭。
・民主党傾斜のワシントン・ポストのルース・マーカス記者、起訴反対論を表明。
・「有罪確定までは推定無罪」、「両論銘記」の原則優先が正しい指針。
アメリカの国政が司法とからみ、民主党と共和党が正面衝突という状態となった。その嵐の中心はドナルド・トランプ前大統領である。トランプ氏は政治生命が終わるどころか、共和党側での多数の候補をはるかに引き離す超高の支持率で人気を集める一方、バイデン政権下の司法機関からは合計4回もの起訴処分を受けた。
8月24日はそのトランプ氏がその4回目の起訴に対して被疑者としてフロリダ州の拘置所に出頭し、犯罪容疑者用の顔写真を撮影された。その写真は即座に開示され、いまや多数のメディアによって大々的に公表されている。もちろん前代未聞の出来事である。
写真: フルトン郡保安官事務所が提供した、出頭後に撮影されたトランプ前大統領の顔写真 2023年8月24日 ジョージア州アトランタ
出典:Photo by Fulton County Sheriff's Office via Getty Images
8月23日には共和党候補者8人による初の予備選討論会が開催された。ただしトランプ氏は「支持率で他の候補たちをあまりに多く引き離したから」という理由で参加しなかった。参加した候補者たちはみなトランプ氏への起訴を民主党側の政治的工作だと非難して、結果としてトランプ氏を擁護する立場を明らかにした。
一方、翌24日、共和党が多数を占める連邦議会下院は司法委員会などがトランプ氏を4回目に起訴したジョージア州の民主党活動家の黒人女性検事を関連書類とともに議会に召還する方針を発表した。まさに国論、国政の分裂なのである。
そんななかで民主、共和の両陣営の区分を超える興味ある現象も起きてきた。反トランプのリベラル陣営からもトランプ氏の4回目の起訴は過剰だとして反対する主張が出てきたのだ。民主党リベラル勢力の間にも、今回の4回連続起訴に反対する常識論が存在し、分裂や対立のなかにも一抹の多様性が残るということなのか。あるいはリベラル派では例外中の例外の意見なのか。いずれにしても、反トランプ陣営からのトランプ氏起訴反対論には注視しておく必要があるだろう。
この記事に関連するニュース
-
トランプ前大統領の圧勝とその教示
Japan In-depth / 2024年11月7日 23時21分
-
〈アメリカ大統領選〉トランプは「垂直」、ハリスは「水平」、好対照な支持拡大戦略。カギを握る激戦7州の行方
集英社オンライン / 2024年11月6日 7時0分
-
激戦7州で拮抗、投票始まる 米大統領選、女性初か返り咲きか
共同通信 / 2024年11月5日 20時24分
-
民主党びいきの二大新聞はなぜハリス不支持となったのか
Japan In-depth / 2024年11月5日 12時4分
-
ワシントン・ポストは「確トラ」を認めたか…「お金配りおじさん」イーロン・マスクが支配する米大統領選の結末
プレジデントオンライン / 2024年11月3日 11時15分
ランキング
-
1県議会自主解散など要求=維新、兵庫知事選を総括―吉村共同代表
時事通信 / 2024年11月24日 15時35分
-
2ビシネスホテル“強盗” 自称会社員の少年を逮捕 群馬・高崎市
日テレNEWS NNN / 2024年11月24日 13時15分
-
3強盗致傷事件被害品のクレカを受け取った疑いで21歳大学生を追送検…SNSで闇バイトに応募
読売新聞 / 2024年11月24日 16時51分
-
4「“確率”の問題は“数学I”の範囲外」 受験生の指摘で発覚 島根県立大学の入試で出題ミス 島根県出雲市
日本海テレビ / 2024年11月24日 11時51分
-
5党員不適切登録の自民・田畑裕明衆院議員、社員が架空党員にされたか尋ねた社長に「党費はあなたが払ったことにして」
読売新聞 / 2024年11月24日 10時57分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください