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ヨーロッパ3大夏祭りの話 日本と世界の夏休み その6

Japan In-depth / 2023年8月26日 11時0分

ヨーロッパ3大夏祭りの話 日本と世界の夏休み その6


林信吾(作家・ジャーナリスト)




林信吾の「西方見聞録」





【まとめ】





・スウェーデン「ミッドサマー」を皮切りにヨーロッパは夏祭りシーズン。





・パリ祭、ミリタリー・タトゥー、牛追い祭が、ヨーロッパ3大夏祭り。





・夏休み中の観光地は、ホテルも飲食店も料金がバカ高くなる。





 





ヨーロッパと一口に言っても広いので、気候風土も様々なのだが、総じて言えるのは緯度が高いということ。





南国のイメージをもたれがちなイタリアのローマでさえ、北緯41度。札幌市が42~43度にまたがっているので、わずかながら南に位置しているに過ぎない。





英国ロンドンに至っては、北緯51度。日本列島の最北端よりもだいぶ北、サハリン島の真ん中くらいである。





これほどまでに緯度が高いと、東北・北海道にお住まいの読者には多少イメージできるかも知れないが、夏と冬とで日照時間の差がはなはだしく、かつ、冬が長くて夏が短い。 





ロンドンで暮らしていた当時、日本からやってきたばかりの人から、





「夕食を食べ終えても、まだ外が明るいんですからね。調子狂いますよ」





などと聞かされたことがある。これはもちろん夏場の話で、冬になると、午後3時頃には大半の車がヘッドライトを点灯させていた。また、7~8月でも空の色は、日本の感覚だと秋のそれであった。





そうした次第なので、ヨーロッパ北部においては、夏の日差しが非常に珍重される。日本で夏祭りと言うと、夕涼みを兼ねて夜になってから、となることが多いが、ヨーロッパの夏祭りはほとんどの場合、午後の早い時間がハイライトとなる。





例によって余談にわたるが、ヨーロッパでは夏の日差しを最大限に享受すべく、サマータイムが導入されている。時計を1時間進めることで、始業と終業をそれぞれ1時間早め、日没前に余暇を楽しもうというのがその主旨で、このことは、サマータイムの訳語として「日光節約時間」も認められていることで証明されよう。1907年にカナダのオンタリオ州で最初に導入され、20世紀後半にヨーロッパに普及したと記録にある。





少し前に日本でも導入議論が起きたが、私は反対した。ヨーロッパと違って日本では(地域差はあるにせよ)夏の日差しは忌むべきものだからで、節電効果が期待できるという人もいたが、生活リズムに変調を来すデメリットの方が大きいと思う。実際問題として、敗戦後GHQの肝いりで1947年に導入されたものの、国情に合わないとしてわずか4年で廃されている。





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