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ヨーロッパ3大夏祭りの話 日本と世界の夏休み その6

Japan In-depth / 2023年8月26日 11時0分

話を戻して、北欧では夏の日差しが珍重されると述べたが、その典型が6月下旬の夏至の日にスウェーデンのストックホルムで開かれる「ミッドサマー 夏至祭」である。





この夏至際を皮切りに、ヨーロッパは夏祭りのシーズンを迎えることとなって、7月14日にフランスで開かれるパリ祭、8月にスコットランドのエジンバラで開かれるミリタリー・タトゥー、そして同じく8月にスペインのパンプローナで開かれる牛追い祭が、ヨーロッパ3大夏祭りと称される。3大の基準は集客力であるらしい。





まずパリ祭から見ると、実はこれ、日本だけの呼び名である。フランス本国では単に「国民祭」あるいは「7月14日」でしかない。1933年に公開された、ルネ・クレール監督の映画『Quatorze Juillet 7月14日』が、輸入した東宝東和の工夫による『巴里祭』の邦題でヒットしたために、この名が定着した。





1789年のこの日、王制打倒の旗印を掲げた市民革命軍が、政治犯を解放すべくバスティーユ監獄を襲撃。フランス市民革命の幕開けとなった。翌1790年には、蜂起1周年を記念して「全国連盟祭」が開催され、後にこの日が建国記念日と定められる。





フランス全土で花火やダンスパーティーが催されるが、最大かつ象徴的なイベントと言えば、パリのシャンゼリゼ通りからコンコルド広場までの軍事パレードだ。





先頭は士官候補生、そして最後に行進するのは外人部隊と決まっているので、もしかしたら過去には日本人も(時期により、日本人の隊員も20名近く所属していたと聞くので)参加したのかも知れないが、資料はなにも語っていない。上空ではパトルイユ・ド・フランス(フランス空軍アクロバット飛行チーム)が曲芸飛行を披露する。









▲写真 シャンゼリゼ通りで行われたフランス革命記念日の軍事パレードで行進するフランスとインド軍(2023年7月14日 フランス・パリ)出典:Photo by Christian Liewig - Corbis/Corbis via Getty Images





次にスコットランドのミリタリー・タトゥーだが、こちらは第二次世界大戦後からの、比較的歴史の浅いイベントだ。





わが国における成人式と同様、大戦で疲弊した国民を元気づけよう、との主旨で始まったもので、読んで字のごとく軍楽隊のパレードが目玉とされる。精鋭と称されるハイランダーズ(スコットランド高地連隊)による、バグパイプの演奏と、英連邦諸国や友好国、多いときには世界40カ国の軍楽隊が、民族衣装に身を包んでパレードに参加する。





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