【ファクトチェック】サンデーモーニング松原氏「処理水はまったく違う水」⇒根拠不明
Japan In-depth / 2023年9月9日 22時28分
少なくとも私が現役のテレビコメンテーターだったら、そう言う。今こそ連帯が必要だと思うからだ。
▲写真 福島第一原発構内に並ぶ処理水タンク群 出典:経済産業省
■ TBS系列情報番組「処理水は全く違う水」
ところが、この問題のまっただ中、とある地上波テレビ番組で驚きの発言が出演者からなされた。
TBS系列の「サンデーモーニング」という情報番組(毎週日曜日8:00~09:54)がそれだ。9月3日の放送で、コメンテーターとして出演していたジャーナリストの松原耕二氏が、福島第一原発のALPS処理水の海洋放出について「処理水はまったく違う水」と発言した。
松原氏はまず、「中国があれほど危険をあおるのが、科学的だとは全然思わないですね。」と前置きし、「ただ、普通の原発が出してる、海に流しているものと処理水はまったく違う水なわけですよね」と指摘、続けて、「普通の原発が流すものはトリチウムだけが入ってる。で、今の処理水はですね、結局燃料デブリに直接当たってるので、トリチウムだけじゃなくてセシウムとかストロンチウムとかいろんな放射性物質が入ってるわけです」と述べた。
さらに、「これが明らかに違うんだということで、日本はただ、政府はですね、そっちに意識が行かないように『トリチウム、トリチウム』という風に持って行くようにも見えるわけですね。ですから、やっぱりほかの放射性物質についても、安全なら『安全だ』と積極的に説明して、データを開示することが、やっぱり信頼につながるんだろうと思います。最終的には。」と続けた。
松原氏は、放出されている処理水にはトリチウム以外のセシウムやストロンチウムなどの放射性物質が入っているととれる発言をした。さらに、政府がそれを隠蔽しているかのような示唆も行った。
Japan In-depthでは、この松原氏の発言をファクトチェックする。
■ 中国の主張
放出された処理水にはトリチウム以外が入っていると非難しているのは中国だ。8月28日、駐日中国大使館ホームページにおいて、ALPS処理水の海洋放出に関するコメントが掲載された。その指摘は以下の通り。まずは読んでみよう。
まず、なぜ日本はトリチウムは稀釈(編集部注:希釈)処理済みだとわざと強調し、他の放射性核種には言葉を濁しているのか。日本はこれらの核種は処理のすえ、海洋放出前すでに国の安全基準を満たしたと言い張っている。しかし世界が知っているように、福島の核汚染水には60種余りの放射性核種が含まれており、トリチウムのほか、多くの核種の有効な処理技術はまだない。しかもいわゆる「基準を満たす」イコールない、稀釈イコール除去ではなく、総量が変わるわけではない。日本がどう弁明しようとも、大量の有害な核種が海に放出され、海洋の環境と人類の健康に予測できない危害をもたらす事実は変えられない。
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