【ファクトチェック】サンデーモーニング松原氏「処理水はまったく違う水」⇒根拠不明
Japan In-depth / 2023年9月9日 22時28分
これらの核種については、ALPSによる処理を経た後、規制基準未満まで除去します。処理後に検出されたことのある核種は、29核種のうち9核種だけであり、それらも規制基準を十分に下回るまで浄化できています。これまでの運転実績から、ALPSは十分な浄化性能を有することが実証されており、IAEAも、それらのうち多くの核種は検出されることはないほど濃度が低いと評価しています。
ALPS処理水の海洋放出による人及び環境への放射線影響は、国際的な基準及びガイドラインに沿って、海洋拡散、核種の生物濃縮や長期の蓄積も考慮して入念な評価を行った結果、無視できるものです。IAEAは、包括報告書において、この点についても結論として明記しています。いわゆる「海洋環境や人体に予期せぬ被害をもたらし得る」との中国側の主張は、科学的根拠を有するものではなく、IAEAの見解とも異なるものです。放出される水は、中国側が言うような「汚染水」ではなく、十分に浄化された「ALPS処理水」を更に希釈したものであり、放射性物質の濃度が規制基準を大幅に下回るレベルの水です。IAEAは、公衆の混乱を避けるためには用語への理解が重要であり、用語を区別すべきと指摘しています。日本政府は、中国政府に対し、IAEAの指摘を真摯に受け止め、不適切な表現を行わないよう求めます。
【中国側の2つ目のコメントへの回答】
中国政府は、2つ目のコメントとして、日本側はすべての核種をモニタリングしているわけではなく、モニタリング対象となる海洋生物の種類も少ないので、日本側が公表しているモニタリング・データだけでは、ALPS処理水の放出が安全で無害とすることはできないとしています。また、中国側は、日本側が発表しているデータの大部分は東京電力自身がサンプリングし、検査し、公表しているものであるが、東京電力が発表したデータは信頼できないとしています。
これらの点について、正確な事実は以下のとおりです。
日本は、東京電力福島第一原子力発電所の事故後、政府が定める「総合モニタリング計画」に基づいて、包括的かつ体系的な海域モニタリングを行っています。同計画においては、東京電力のみならず、環境省、原子力規制委員会、水産庁及び福島県がモニタリングを行っており、その結果については各省庁のウェブサイト及び包括的海域モニタリング閲覧システム等において公開されています。放出開始後のモニタリング結果は、ほとんど検出下限値未満であり、検出されたものも極めて低い濃度であり、安全であることが確認されています。ALPS処理水は、計画どおりに放出されています。
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