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【ファクトチェック】サンデーモーニング松原氏「処理水はまったく違う水」⇒根拠不明

Japan In-depth / 2023年9月9日 22時28分

第二に、なぜ日本は全面的で系統な海洋環境モニタリングを行わないのか。現行のモニタリングプランは系統的、全面的でなく、放出されるすべての核種のモニタリングを行ってはおらず、モニタリングする媒体海洋生物の種類が少なく、海洋生態系への長期的影響評価の必要を満たせない。現在公表しているモニタリング方法とデータだけで、福島核汚染水の海洋放出は安全で無害だというのは科学的根拠がなく、人々を納得させるのは難しい。現在公表している大部分のデータは東京電力が自分で採取、検査、発表したものだ。東京電力にデータ改ざん、ごまかし、虚偽報告の数々の過去があることを考えれば、国際社会がそのデータの真実性と信頼度を疑うのはしごく当然のことである。

第三に、なぜ日本は他の利害関係者が共に参加して国際モニタリングの仕組みをつくることを拒否するのか。日本は国際原子力機関(IAEA)を前面に出して「盾」にし、他の国のモニタリング参加は必ずIAEA主導の枠組み下でなければならず、IAEAとの協議・合意がなければ加われないと言っている。そして実際には、現在IAEAのモニタリングの枠組みには他の国や国際機構は現地参加しておらず、これでは国際モニタリングとは言えず、透明性を著しく欠く。日本が安全性について十分自信があるのなら、他の国が独自に実施する第三者モニタリングを含めて、各利害関係者が十分かつ効果的に参加する長期的モニタリングの国際的アレンジメントを積極的に支持すべきである。





■ 外務省の反論





この中国の批判に対して外務省は以下の通り回答(2023年9月1日「ALPS処理水の海洋放出に関する中国政府コメントに対する中国側への回答」)している。こちらも長いが是非読んでいただきたい。





【中国側の1つ目のコメントへの回答】

中国政府は、1つ目のコメントとして、日本側は、トリチウムは希釈・処理されている点を説明する一方で、他の核種については説明していないとしています。また、中国政府は、ALPS処理水には60種類以上の放射性核種が含まれており、トリチウムのほか、多くの核種の有効な処理技術がないとしています。さらに、中国政府は、「基準値を満たすこと」と「存在しないこと」は別であり、ALPS処理水の海洋放出は、海洋環境や人体に予期せぬ被害をもたらす可能性があるとしています。

これらの点について、正確な事実は以下のとおりです。

ALPS(多核種除去設備)は62の核種を確実に除去するように設計されていますが、半減期を考慮すべきなどのIAEAの指摘を受け、処理前の水に現実的に存在し得る核種は29核種であると考えています。IAEAは、包括報告書において、この選定方法は「十分保守的かつ現実的」と評価しています。また、日本の分析に加え、IAEA及び第三国機関の分析でも、その他の核種は検出されていません。こうした内容については、原子力規制委員会の審査やIAEAのレビューを通じて公開されています。いわゆる「60種類以上の放射性核種が含まれている」とする中国側の主張は、科学的根拠を有するものではなく、IAEAの見解とも異なるものです。

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