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TVで「ウクライナ侵略反対」呼びかけた女性編集者、毒物盛られる?

Japan In-depth / 2023年10月20日 12時41分

 



写真)ロシアの情報機関員であるセルゲイ・スクリパリ氏とその娘ユリア親子が毒殺未遂にあった現場で化学防護服を着用して捜査する警察官ら。イギリス・ソールズベリー 2018年3月13日


出典)Christopher Furlong/Gettty Images


 この事件をうけて英国、これに同調した米政府、EU(欧州連合)、NATO(北大西洋条約機構)など30か国近くが、ロシア外交官を国外追放、ロシアも報復として同様の手段をとり、双方の激しい対立に発展した。


 ちなみにこの時の日本政府の対応はどうだったか。


 外交官追放合戦が続いていた3月下旬、英国のメイ首相(当時)が安倍晋三首相(同)に電話、事件の経過を説明したが、安倍氏は「化学兵器の使用は容認できない。犯人は処罰されるべきだ」と述べたにとどまった。


 メイ首相は、日本に対してほかのG7(主要7か国)と同様の手段をとってほしいと伝えたのだろうが、われ関せずとしか思えない安倍氏の態度に失望しただろう。


 つけ加えれば、河野太郎外相(当時、現デジタル相)は翌日、東京でロシアのラブロフ外相と会談、昼食会でラブロフ氏の誕生日を祝うケーキをふるまうなど歓迎、各国と180度異なる対応を見せた。


 


■ 日本料理店のお茶に放射性物質


 ロシアによる毒殺テロにはさらにおぞましいケースがある。


 2006年に旧KGB(ソ連国家保安委員会)、FSB(ロシア連邦保安庁)の元中佐がロンドン市内の日本料理店で飲んだお茶に、あろうことか高濃度放射性物質ポロニウム210が混入され、中佐は2週間後に亡くなった。


 死の直前、頭髪が抜け落ちた姿でインタビューを受けた中佐は、最後の力を振り絞ってロシアを告発した。


 プーチン大統領の政敵暗殺を命じられて拒否、イギリスに亡命したが、組織からの追手の魔手にかかった。


 不特定多数の客が出入りするレストランでの放射性物資使用は、巻き添え被害の恐れが強く、まさに、目的のためには手段を択ばぬ凶悪な所業というべきだろう。


 


 


写真)ユニバーシティ・カレッジ病院の集中治療室にいるロシア連邦保安庁の元職員であり、ロシアに対する反体制活動家で毒殺されたアレクサンドル・リトビネンコ氏 イギリス・ロンドン 2006年11月20日


出典)Natasja Weitsz/Getty Images


毒物を用いたこれら一連の事件からは、旧ソ連、ロシアでは、銃殺など政敵粛清のための乱暴な手段だけでなく、毒殺という陰湿な手口も頻繁に用いられていることをうかがわせる。


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