1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 社会

アメリカに広がる日本の味覚 その2 日本人が買えないMade in Japan

Japan In-depth / 2023年12月3日 23時0分

アメリカに広がる日本の味覚 その2 日本人が買えないMade in Japan




柏原雅弘(ニューヨーク在住フリービデオグラファー)





【まとめ】





・NYの日本食は高級化がどんどん進み、完全にブランディングに成功した。





・日系スーパーで売られている日本産のものは、コロナ前より大幅に値上がり。





・日本製品を扱う舞台は、日本のお店を差し置き「仁義なき戦い」の様相を呈している。





 





その昔、海外に出たら、日本食に出会うことを期待してはいけないと言われた。





虎穴に入らずんば虎子を得ず。





1980年代後半、新たにニューヨークで生活を始める事になった自分は、できるだけ日本的なものから距離を置いて、現地から学びとれるものを自分のものにしようと、気持ちを奮い立たせて現地に降り立った。





まずは腹ごしらえ、と、ニューヨークに到着した日、私が最初に向かったのは、日本で「スマイル0円」をキャッチフレーズにしていたファストフードのお店だった。





そこで南アジア系の女性店員に「何言ってんだかわからないよ!コノヤロー!!」と注文でいきなり罵声を浴びさせられ、NYの洗礼を受けた。しかも、メニューは指すだけで注文できるはずなのに、出てきたものは違うもの。英語力・ゼロの自分は、注文が違う、ということも言えずに、間違って出てきた品物を宿でかじりながら切実に「コンビニのおにぎりでも食べたい」と思ったのであった。





当時のニューヨークで日本食と言えば「スシ・天ぷら」であり、しかもそれらすら認知され始めてから間もない頃で、日本企業の駐在員がアメリカ人のクライアントの接待に使う道具、という側面が大きく、現地在住日本人とはほぼ無縁のものであった。庶民の食べ物であるおにぎりなどは、まだなかった。言い換えると、おにぎりすらなかった、のである。





NYの日本食レストランもまだ数えるほどしかなかった。





ある時、訪れていた日本食レストランで隣のアメリカ人客に言われたことがある。





私が食べていた枝豆と、焼き鳥を、そのアメリカ人が興味深そうに見ていたので、これが何であるかを喜々として説明したら「豚の餌と同じものを食べるのが理解できない」「目玉も串に刺して食べるのか?」と言われた。決して差別的に言われたのではなく、心底理解できずにいたようだった。当時はスシ・天ぷら以外は、NYにおいてもまだ未知の食べ物で、ラーメンなどは、おそらく一番理解に遠い位置の存在だった。25年ほど前の話である。





今や枝豆は「スーパー健康食」として全米どこでも、扱っていないスーパーはない。豆腐も同様である。





この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください