風雲急を告げる東アジア情勢 Part1「台湾有事」Japan In-depth創刊10周年記念対談 元防衛大臣小野寺五典衆議院議員
Japan In-depth / 2024年1月6日 22時0分
小野寺氏は防衛大臣の時に、与那国島、石垣島、宮古島、奄美大島等南西域に自衛隊をおき軍事強化を行った。
「台湾有事が起きた場合、主戦場はおそらく南西域になる。そこに日本の島を守る部隊がいないと、大変なことになる。ゲリラ戦や様々な圧力がかかる最前線になるだろう。有事の際に戦域となる場所を強化することで、日本の領土を守る目的がある」とその理由を述べた。
現に、小野寺氏の決定がある前は、台湾から100キロも離れていない与那国島を守る存在は警察官2名しかいなかったという。地元住民の了承を得つつ、南西域の強化を完成させていく、と小野寺氏は述べた。
軍事力を強化すること、そして武器を備えておくことが、具体的にどのような攻撃から国を守るのだろうか。
現在、初めから島に上陸して戦うというスタイルよりも主流になっているのが、ミサイルなどの「飛び道具」を使って街を破壊し、弱体化させてから上陸するという戦い方だと小野寺氏は指摘した。
これを防ぐためにはミサイルをミサイルで撃ち落とす「ミサイル防衛」の能力を持つことだが、それだけでは国は守れない。守るための戦力だけでは、相手国に武器を降ろさせるような抑止力には繋がらない。
攻撃を受けないための武器として、装備しなければならないのは、来たミサイルを撃ち落とすだけでなく、こちらから相手のミサイル基地を破壊できる能力を持つこと、それを示して初めて攻撃させないための抑止力は完成する。
小野寺氏は任期中、「スタンド・オフ防衛能力」や「反撃能力」という表現を使って、守るだけでなく反撃できる武器を持って備えることの重要性を知らせてきた。国民に理解してもらうため、国民の意識を向けられるようなワーディングも大事になっていくだろう。
日本ならではの防衛はどういったものが基本とされているのか。
島国である日本は地続きの国と比べて、侵略されにくいというメリットがある。そこで島国ならではの防衛を、取捨選択して備えておく必要がある。今重要視されているのが、12(ひとにい)式地対艦誘導弾能力向上型だ。
12式地対艦誘導弾能力向上型とは日本の技術で開発した国産ミサイルで、対艦ミサイルの一種。最近、導入を一年早める報道がなされたことでも話題となった。
このミサイルの最大の利点は国産であることだと野寺氏は言う。いざというとき、海外へ発注して作るものだと大量調達に時間がかかってしまうが、国産であればその心配はなく直ぐに準備できるからだ。
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