風雲急を告げる東アジア情勢 Part1「台湾有事」Japan In-depth創刊10周年記念対談 元防衛大臣小野寺五典衆議院議員
Japan In-depth / 2024年1月6日 22時0分
現行の日本国憲法では、台湾有事の際、台湾の味方として中国に攻撃はできない。一方、アメリカは台湾を守るために反撃する、と表明している。その際、主戦力となるのは在日米軍基地であり、日本は米軍基地からの攻撃を認めるか否かの決断を迫られることになる。
認めれば中国に敵とみなされ直接攻撃されるきっかけとなるだろうし、認めなければアメリカとの同盟関係は解消され、丸腰で戦う覚悟を決めなければならない。現状の日本では、アメリカに守ってもらうためにも、在日米軍基地からの攻撃を認めざるを得ないだろう。したがって、日本は中国からアメリカと同じ立場とみなされ、憲法と関係なく当事者となる可能性が高い、と小野寺氏は指摘した。
「だから私たちは色々な備えをしなければならない」し、「政治という責任ある立場で最悪を想定して考えていかなくてはならない」と小野寺氏は決意を述べた。
■ 海上封鎖の場合
もう一つ、日本にとっての懸念は、対台湾への経済圧力として海上封鎖などが行われた場合、原油輸入が滞ったり、貿易が制限されたりするのではないか、という問題だ。
小野寺氏によれば、海上封鎖は「それ自体がすでに武力行使」なのだという。したがって、海上封鎖を受けたら、残念ながら武力で強行的に排除する以外に道は無く、日本に対して宣戦布告したのと同じ意味になると小野寺氏は強調した。
また、漁船と称して領海を侵犯したり、尖閣諸島など日本の領土に上陸したりするケースも侵略を受けた国が軍事行為だと判断することができる。この場合、どちらが先に手を出したかを他の国に示し、正当化する宣伝性も問われるため慎重な判断が必要だ。
したがって、事前に攻撃を受ける可能性があることを示唆することで、どちらが侵略国なのかを国際社会にしっかりと認知させていくことが重要だと小野寺氏は述べた。
動画はこちら(Part2に続く)
トップ写真:Japan In-depth創刊10周年記念動画サムネイルⒸJapan In-depth編集部
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