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風雲急を告げる東アジア安全保障 Part2「日本の防衛」Japan In-depth創刊10周年記念対談 元防衛相小野寺五典氏

Japan In-depth / 2024年1月15日 0時0分

▲写真 F35A 出典:航空自衛隊





■ 次期主力戦闘機





こうした防衛装備の政策は政治が決めます。現在の与党、自民党と公明党でワーキングチームを作り、2023年4月から12月にかけて、私が座長になって23回、2時間以上の協議をずっと続けてきました。装備移転がある程度出来る所までは進んできたのですが、未だ共同開発したものを第三国に出すところまでは、なかなか相手の政党が了承してくれません。今、それを粘り強くやっています。





何が今問題になっているかというと、次期主力戦闘機です。私どもは国産でいきたいと思っていましたが、やはり今述べたように色々な国が入らないと高い技術力のものにならない。今回はイギリスとイタリア、日本の3国で次期主力戦闘機を作ることに合意したのです。そして12月に3大臣が日本に集まり署名をしました。





問題は、今後国際機関を作って10年以上かけてこれを完成させるのですが、未だ日本のスタンスが、共同開発して同じ対等な立場で輸出する政治が決断できていない。日本が今、継子あつかいにされそうになっている。これだと国益を大きく毀損するので、とにかくいま早急に国際共同開発で第三国移転が出来るような与党の合意を求めていきたいです。それが私の大きな課題です。





安倍: そうですね。年内は難しいですけれども、次の国会で。





小野寺: いや難しいかもしれません。やはり相手側が非常に硬い。本当にこの政策、どれだけ必要なのかと言うこと、まだ議論がたりないということがある。相手側がある。私どもとしては政府と一緒になり、なぜ必要なのか、政府として政治として決定しなければ将来日本がどれほど大きな損をするのか、これをしっかり後押ししていきたい。





もう一つ知っていただきたいのは、共同開発が主力だと申し上げましたが、日本はもともと持っている防衛装備のいろんな技術がとても高いことです。ところが、日本はそれを外に出すということをしてこなかった。お隣韓国、今、最大の成長産業は防衛装備の海外移転なんです。直近1年間だけで2兆円の装備輸出をしています。日本はそれを全く出せない中で、韓国はもうアジアで一人勝ち、ヨーロッパにもどんどん出している。外に出してたくさん使ってもらえば性能が上がる、コストが下がる、このままいくと、日本は防衛企業はとても採算が合わないので作れません、企。韓国から防衛装備を買うことになり、同国で部品供給が止まれば自衛隊が活動できなくなります。つまり、韓国に逆らえなくなる。こうした状況もないとは言い切れません。ですから、いかに防衛装備が防衛力の根幹にあるかを、ぜひ多くの方に知っていただきたい。





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