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風雲急を告げる東アジア安全保障 Part2「日本の防衛」Japan In-depth創刊10周年記念対談 元防衛相小野寺五典氏

Japan In-depth / 2024年1月15日 0時0分

安倍: 非常に怖い話ですよね。





小野寺: 怖いですが実は当然の話です。なぜ政治側がしっかり決断できないのか、私ども与党の立場として、とにかくこのことを繰り返し、国民の皆さんにも理解していただきいて、前に進めていきたいと思っています。





■ 国際軍事連携





安倍: よく分かりました。戦略的な軍事連携については、QUAD(クアッド)、最近ではNATOとの連携の話も出てきています。今、日本がインド太平洋の平和を守るために、そうした国際的な連携の必要性はどこにあるのでしょうか?





小野寺: ロシアのウクライナ侵略がなぜ起きたのか。これはロシアが事前に侵略準備をしていたにも関わらず、アメリカのバイデン大統領がウクライナと一緒には戦わないと事前に言ってしまった。それにより、ロシアはやすやすとウクライナに侵略できるのではないかと思い、前に出てしまった。





中東パレスチナでハマスとイスラエルの悲惨な戦いがありますが、あれはなぜ起きたか。イエメンのフーシ派という集団がサウジアラビアの油田を何度か攻撃しました。本来であればサウジアラビアの同盟国アメリカがフーシ派に対して武力行使するとおもっていたら、アメリカは何もしなかった。結果として、サウジアラビアはアメリカが頼りにならないのでイスラエルに接近した。これに反発して、ハマスが自爆ともいえるような攻撃をイスラエルに仕掛けた。結果として、イスラエルとサウジアラビアの関係がまた距離が広がった。









▲写真 イスラエルの空爆で亡くなったパレスチナ人の遺体(2024年1月12日 ガザ・ラファ)出典:Ahmad Hasaballah/Getty Images





すべてアメリカの振る舞いがこれらの紛争に関わっているのです。そしていま東アジアでも、台湾のアメリカに対する信頼が非常にゆらいできつつあります。





昨年5月には、バイデン大統領と韓国のユン大統領が協議し、アメリカの核爆弾を韓国に置くよう要請しました。これも、アメリカが本当に頼りになるかどうか心配だからこそ、「核爆弾を韓国に置いて」、「(韓国を核で護ると)証明して」、という意図が垣間見れます。実は今あちらこちらで起きている紛争のゆらぎの原因なんです。このようにアメリカだけに頼ることをみなが心配している。





日本も同盟国アメリカを信頼していますが、今の周囲の関係から見ればアメリカ1国だけでは心配です。だからチームを作ろう。チームは強くて多い方がいい。はじめに作ろうとしたのは、オーストラリアとインドも入れて日・米と、QUADというチームを作ろうとしている。





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