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風雲急を告げる東アジア安全保障 Part2「日本の防衛」Japan In-depth創刊10周年記念対談 元防衛相小野寺五典氏

Japan In-depth / 2024年1月15日 0時0分

安倍: 誰も言うことを聞かないってことですね。





小野寺: 口先だけで言うことを聞く国はありません。よくいろんな外務大臣が議論して、外交的にお互いにやってる映像があるじゃないですか。あれお互いにやったふりしてるだけですから。本当に外交で交渉して、何かをお互いに取ったり勝ち得たり条約を結ぶというのは、これはそれぞれお互いに持っているものがあって協力するから、お互いで自分の国もプラスになるから、初めて合意ができるわけです。そのためにはこちらも何かを持たなければいけない。今回私ども外交力を強化するためにもこの防衛力をしっかり持つことは大事だと思います。





■ 日本の核武装





安倍: アメリカの有力な政治家が、個人的な意見で名前は出さないという条件で、日本も核を装備する時期に来ているのではないかというようなことを言ったそうです。共和党のトランプさんも大統領なったばかりの時は、日本と韓国は自分で自分の国を守ってくれよと言ってましたね。アメリカの中にそういう考え方ってあると思います。そうなった時に日本は日本のことを自分で守らなきゃいけない。当然、そういう議論も出てきますよね。





小野寺: 議論は制限してはいけないと思います。国民を守るための議論というのはそれは前提なしで、色々な議論は必要だと思っています。その中でやはり、今日本の国民の皆さん、核保有に関しては非常に政治の選択肢としてはありえないという国民世論があると思います。であれば、日本は核を保有しないことを前提にこの国をどう守っていくか。そのために実は日米同盟、代わりにアメリカが核の傘で日本を守ってくれるということ、これをやっていくことが私は現実的な今の選択だと思います。





ただぜひ多くの皆さんに知っていただきたいのは日本は「核の傘」にあるからこれで大丈夫。日本は非核三原則だ。唯一の被爆国だということを言っている。核の傘にあるということはどういうことかというと、アメリカに核兵器を使ってでも日本を守ってくれ、ということなんですよ。実は、核の傘というのは核使用を認めた前提で、その傘の中に入っているわけです。





ですから私は、日本が核を持つということは日本国民は選択しないとしても、核の現実というのをしっかり理解して核の傘の中にいないと無責任だと思います。唯一の被爆国だ。あってはならない。その通りですよ。私たちもそう思います。だけど、持って攻撃をする可能性がある国があったとしたら、日本としたら同盟国アメリカの核の傘で国民を守る必要がある。核の傘というのは、核を使ってでも日本を守ってくれとアメリカ。これが核の傘。悲しい話です。でもここまでやっぱり正確に理解しておかないと私は空理空論の安全保障政策になるのではないかと思います。





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