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「AI人民解放軍」の本当の脅威 続【2024年を占う!】その3

Japan In-depth / 2024年1月16日 18時0分

「AI人民解放軍」の本当の脅威 続【2024年を占う!】その3




林信吾(作家・ジャーナリスト)





林信吾の「西方見聞録」





【まとめ】





・中国が軍事部門、特に核兵器の分野におけるAIの導入拡大に力を注いでいる。





・映画ではAIと軍事力が負のイメージとして映し出されているが、実際はヒューマンエラーのリスクも高い。





・AIは副次的なもので、問題はこれを使う政治や軍部の責任ある人間なのではないか。





 





前回に続いてAI絡みの話題ということになるが、昨年末に古森義久氏が本誌に寄稿された『中国軍核戦略のAI依存の危険性』という記事が興味深かった。 





中国が軍事部門におけるAIの導入拡大を急いでおり、とりわけ核兵器の分野におけるその進捗ぶりに、米軍筋は神経を尖らせている、とのこと。





詳細は当該記事に譲るが、AIが核兵器を管制するようになった場合、人間とは比べものにならないほどレスポンスが速い分、偶発的に核戦争が勃発するリスクがあるのではないか、というのがその趣旨である。





1983年秋、米国のTV映画『THE DAY AFTER』が大反響を呼んだ。





米国のカンザスシティを舞台に、核戦争が勃発する前後の状況が描かれている。





日本では翌84年に緊急ロードショーと銘打って劇場公開されたと記録にあるが、私はその頃、英国ロンドンに留学していた。英国ではTV放送で、担任が、是非見て欲しいと言うので視聴した。そして翌日、会話の授業で感想を述べ合うことになったのである。





私は、核ミサイル基地の軍人たちが、まるで工場の流れ作業のように淡々と発射の手順をこなしてゆくことに、むしろ恐怖を感じたと述べ、問題は「THE DAY BEFORE」ではないのか、と発言した。なかなかユニークで良い意見だ、と皆に評価されたのを覚えている。





ただ、当時の私は本格的な英語の勉強を始めてさほど時間が経っていなかった。核戦争の描写に関しては、生存者が元気だったり、本当はあんな甘いものではないだろう、ということを指摘したかったのだが、そこまでの語彙が身についていなかったのは残念だ。





同じ年に映画館で『WAR GAMES ウォー・ゲーム』を見た。





こちらは、前述の『THE DAY AFTER』と同じく1983年に米国で制作・公開されている。1989年の、ソ連邦によるアフガニスタン侵攻をきっかけに、一度はデタントに向かっていた冷戦のテンションが一挙に高まり、核戦争の危機が現実味を帯びてきていた、という背景があったものと思われる。





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