ボストン・ウェルネス通信 その3 環境有害物質と私たちの健康:水銀とPFASの話
Japan In-depth / 2024年1月27日 11時0分
●習慣をかえて、汚染された食物の摂取量は減らす
母親によるゴンドウクジラ肉の摂取によるメチル水銀曝露の増加は、臍帯血および母親の毛髪中の水銀濃度によって示されました。出生時、母親の水銀濃度が最も高かった7歳児は、言語障害、注意力障害、記憶障害などのリスクが最も高いことがわかりました。つまり、たとえ低レベルの水銀であっても、子宮内で暴露すると、子どもの学習・記憶障害を引き起こす可能性があります。この結果は1997年に発表され、米環境保護庁(EPA)が、人々が毎日摂取しても影響がない水銀量を推定する根拠となりました(3)。
ヴェイヘ博士はPBS(2)に、「 人によっては、(ゴンドウクジラの肉を)食べるか食べないかの決断は絶対的なものです。信仰的にイエスかノーかなのです。それは私たちのメッセージではありません。私たちが伝えたいことは、『水銀やPCB(ポリ塩化ビフェニル)の摂取量に注意してください 』ということであり、(水銀の)主要な発生源のひとつがゴンドウクジラであること、そしてどのように対処すればよいかを忘れないようにすることです」
「汚染はもちろん外部からのもので、ここ50年から100年の間にもたらされた人工的なものです。私たちは西洋世界の一員ですが、ゴンドウクジラを食べるという伝統にこだわってきた人々にとっては、そんなことは関係ありません。重要なのは、私たちの食物が汚染されてしまったという事実であり、それについては今さらどうすることもできないのです。フェロー諸島で私たちにできることは、そして私たちがしてきたことは、摂取量を減らし、習慣を変えることです。これらの物質が人間にとって危険であることを文書化する機会を得たことは重要であり、国際社会に人間の健康に関するこの報告書を示すことができます」と語ります。
フェロー諸島では、女性たちがヴェイヘ博士のアドバイスに従って鯨肉を避けたところ、女性たち全体の水銀濃度が低下し、子供たちの水銀濃度も低下しました。
●PFASによる小児におけるワクチン反応の低下
さて、ティングリー氏のNYTの記事(1)によると、2009年、たまたま毒物学雑誌を読んでいたグランドジーン博士は、ある研究に目を留めたとのこと。その研究では、「パーフルオロアルキル化合物」と「ポリフルオロアルキル化合物」、略してPFASと呼ばれる化学物質のグループにラットを曝露させました。すると、PFASへの曝露がげっ歯類の免疫系にダメージを与えることがわかりました。問題は、同じことが人間にも当てはまるかどうかです。
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