ボストン・ウェルネス通信 その3 環境有害物質と私たちの健康:水銀とPFASの話
Japan In-depth / 2024年1月27日 11時0分
PFASを知らなかったグランドジーン博士は興味をそそられたそうです。その頃、博士はヴェイヘ博士と、他のいくつかの残留性化学汚染物質が、子どもたちの定期的なワクチン接種への反応に影響を及ぼすかどうかを調査していました。そのため、PFASを研究に加えるのは比較的簡単でした。23年前から、博士らは母子グループの子どもたちに、定期的に血液や毛髪などの生物学的サンプルを採取し、子供たちが生まれた頃の母親からもサンプルを保存していました(1)。
博士らは出産時の女性のPFAS濃度を調べた後、破傷風とジフテリアのワクチン接種後、5歳と7歳の子どもから採取した血液を検査しました。その結果、母親のPFAS濃度が2倍になるごとに、予防接種後の子供たちの抗体濃度は40%低くなり、子供たちのPFAS濃度が2倍になるごとに、抗体濃度は50%低下しました(4)。
同じ頃、米国ではPFASの健康への影響が注目され始めていました。90年代後半に始まった訴訟では、PFOAと呼ばれるPFASの一種をテフロンの製造に使用していた、バージニア州パーカーズバーグ近郊のデュポン社の工場について、深刻な懸念が提起されたのです。同社は何十年もの間、この化学物質を含む廃棄物をオハイオ川や敷地内のピットに投棄し、何万人もの人々の大気と飲料水を汚染してきました(1)。
●環境中の至るところにあるPFAS(永遠に残る化学物質)
PFASは、防汚能力に優れているため、家庭、オフィス、学校、病院、自動車、飛行機のあらゆる製品に使用されています。
そして、テフロン加工の鍋、防水衣類、防汚カーペットや布地、食品包装などの製品を通じて、水、食品、体内に汚染します。 これらは分解されにくいため、環境中で数十年間持続し、「永遠に残る化学物質(フォーエバー・ケミカル)」とも呼ばれます。PFASはまた、数か月から数年にわたって人々の体内に残ります(5)。
CDCによると、アメリカ人の推定97%が血液中にPFASを含みます。米地質調査所(USGS)によると、米国の飲料水の45%がPFASで汚染されています(6)。
●PFASの人体への影響はさまざま
米連邦機関の有毒物質疾病登録局(ATSDR)は、人間を対象とした研究で、特定のPFASのレベルが高いと次のような症状が起こる可能性を指摘します(7)。
心臓:コレステロール値の増加
ワクチン:小児におけるワクチン反応の低下
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