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Jパワー「大崎クールジェン」でカーボンネガティブを目指す

Japan In-depth / 2024年2月1日 23時0分

大崎クールジェンは、「安芸の小京都」と呼ばれる竹原市の港からフェリーで30分ほどの広島県豊田郡大崎上島町にある。









▲写真 大崎上島へ向かうフェリーから大崎クールジェンを望む(2023年11月17日) ⒸJapan In-depth編集部





なにが「革新的」なのか。





まずはプロジェクトの概要を見てみよう。2018年に取材したときは第1段階だったが、今回(2023年11月)、2回目の取材の機会が訪れたので進捗を報告する。









▲図 大崎クールジェンプロジェクトの概要 出典:大崎クールジェン株式会社





第1段階は、「酸素吹石炭ガス化複合発電(IGCC:Integrated coal Gasification Combined Cycle)実証」だ。





IGCCの仕組みはまず、石炭をガス化炉で一酸化炭素(CO)と水素(H₂)を主成分とする石炭ガス化ガスを生成する。そのガスは熱回収ボイラで熱回収され、ガス精製設備で不純物と硫黄分を除去した後、ガスタービン燃焼器で燃焼することでガスタービンを駆動する。燃焼排ガスは排熱回収ボイラで熱回収した後、煙突から放出される。一方、熱回収により発生した蒸気で、蒸気タービンを駆動する。ガスタービンと蒸気タービンとの複合発電を行うことで、従来の微粉炭火力発電を上回る発電効率が達成可能となる。





第2段階は、「CO₂分離・回収型酸素吹石炭ガス化複合発電(IGCC)実証」だ。





石炭ガス化ガスの一部をCO₂分離回収設備へ送る。シフト反応器にて石炭ガス化ガス中の一酸化炭素(CO)を触媒を用いて蒸気(H₂O)と反応させ、二酸化炭素(CO₂)と水素(H₂)に変換し、CO₂のみ分離回収する。分離回収後の石炭ガス化ガスは水素(H₂)濃度が高い水素リッチガスとなり、ガスタービンへ送られ燃料として活用される。





国内で多い、石炭を粉状にして空気と混ぜボイラ内で燃焼させて発電する微粉炭火力発電の場合、燃焼後の排ガスから化学吸収法でCO₂を回収するが、酸素吹IGCCとCO₂分離回収の組合せの場合、体積が小さい高圧・高濃度のCO₂石炭ガスから燃焼前にCO₂を回収する物理吸収法を採用する。化学吸収法に比べ、分離回収コストを大幅に低減できるメリットがある。









▲図  酸素吹IGCCとCO₂分離回収の組合せ:物理吸収法による燃焼前吸収 出典:大崎クールジェン株式会社





そして、第3段階は、「CO₂分離・回収型酸素吹石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC:Integrated Coal Gasification Fuel Cell Combined Cycle)実証」だ。





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