Jパワー「大崎クールジェン」でカーボンネガティブを目指す
Japan In-depth / 2024年2月1日 23時0分
固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)を用いた燃料電池モジュール1,200kW(600kW×2基)を並べ、CO₂分離回収後の水素リッチガスを供給して発電試験を行い、燃料電池モジュールの基本性能や運用性などについて検証を行った。
■ プロジェクトの主な成果
上記3段階の実証試験で得られた成果は、以下の通り。SOxやNOx、ばいじんなどの排出量が低く、環境性能に優れることに加え、驚くべきはCO₂の回収効率が90%以上なことだ。純度も99%以上である。また、さまざまな種類の石炭を使うことができるので経済合理性に優れる。発電原価が微粉炭火力発電と同等になる見通しだ。
▲図 プロジェクトで得られた主な成果(2022年度末時点)出典:大崎クールジェン株式会社
また発電効率は、IGFC商用機+CO₂回収のケースで66%であり、超々臨界圧石炭火力発電(USC:Ultra Super Critical Power Plant)の最新鋭機の48%を上回る結果を得た。
▲図 プロジェクトで得られた主な成果(発電効率)2022年度末時点 出典:大崎クールジェン株式会社
▲写真 大崎クールジェンのプラント 敷地内から(2023年11月17日)ⒸJapan In-depth編集部
■ バイオマス混合ガス化技術開発
そして大崎クールジェンプロジェクトの挑戦は止まらない。
去年9月から、CO₂分離・回収型IGCCにおいて、バイオマス燃料などを石炭に混ぜてガス化する、バイオマス混合ガス化技術開発に取り組んでいる。目指すは「ネガティブエミッション」だ。ゼロエミッションならわかるが、聞き覚えのないこの言葉は何を意味するのか。
「ネガティブエミッション」とは、大気中のCO₂を減らすのではなく、除去することをいう。
今回はバイオマス燃料として、木質ペレットを炭化したブラックペレットを使用する。IGCCでバイオマス燃料を使用するのは世界初だ。バイオマス燃料は大気中からCO₂を取り込んでいるので、ガス化過程から分離・回収したCO₂を地中に埋めれば実質、大気からCO₂を取り除くことになるため、「ネガティブエミッション」と呼ばれるわけだ。
▲図 バイオマス混合ガス化によるCO₂ネガティブエミッション化 提供:大崎クールジェン株式会社
去年10月から実証試験がスタート、2024年にはバイオマス燃料の混合比率を5割にした場合の最適なシステムの見通しを得る計画だ。
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