ボストン・ウェルネス通信 その4 大人気の肥満症治療薬、パーキンソン病やアルツハイマー病にも効果あり!
Japan In-depth / 2024年2月12日 17時0分
大西睦子(米国ボストン在住内科医師)
【まとめ】
・肥満症治療薬「ウゴービ」が、日本でも2024年2月22日に発売。
・2022年3月以来、オゼンピックとウゴービは、米食品医薬品局の医薬品不足リストに掲載。
・日本は米国よりウゴービの適応患者が少なく、品切れ状態にはならないだろう。
米国で大人気の肥満症治療薬「ウゴービ(商品名)」(一般名セマグルチド2.4mg)が、日本でも、2024年2月22日に発売される予定です。
ちなみに米国では、ウゴービ承認前から、同じ「グルカゴン様ペプチド1(GLP-1)受容体作動薬」に属する、2型糖尿病治療薬「オゼンピック(商品名)」(セマグルチド1.0mg)を、減量のため適応外で使用する人がたくさんいました。その状況を、ニューヨークタイムズは以下のように語ります(1)。
● オゼンピックVSウゴービ
ウゴービが承認される前から、肥満のためにオゼンピックを使用し始める人はいました。ノボ・ノルディスク社はオゼンピックのコマーシャルで、使用者の多くは体重が減ることを触れていました。その言葉は十分すぎるほど効果的でした。
マウントサイナイ・アイカーン医科大学ジェフリー・メカニック博士によれば、すぐに患者はオゼンピックを使用するようになりました。医師は糖尿病でない患者にもオゼンピックを処方しました。「ちょっとした駆け引きがありました。一部の医師は、保険適用にするため、患者を糖尿病予備軍としたのです」とメカニック博士は言います。
ブリガム・アンド・ウィメンズ病院の体重管理・ウェルネスセンターの共同ディレクターであり、ノボ・ノルディスク社などの企業のコンサルタントでもあるキャロライン・アポヴィアン博士は「2021年までには、ソーシャルメディア、一般的な減量ブーム、ノボ ノルディスク社の積極的なマーケティングによって、オゼンピックで減量するというニュースは転換点を迎えました」と語ります。
その年に肥満症の治療薬として承認されたのはウゴービでしたが、オゼンピックは皆の注目の的でした。ところがウゴービが追いつきました。7月、米国の医師がウゴービに書いた処方箋は、週に約94,000件。一方、オゼンピックは約62,000件でした。
「ただし、ウゴービの需要は非常に高く、同社は十分な量を作ることができません」と広報担当のアンブレ・ジェームス=ブラウンは述べました。そのため、今のところ、生産量を増やす間、同社はこの薬をノルウェー、デンマーク、ドイツ、アメリカでのみ販売しています。そして、これらの国の薬局では品切れが頻発しています。
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