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福島市唯一の酒蔵「金水晶酒造店」新たな蔵での酒造り、間もなく

Japan In-depth / 2024年2月16日 12時47分

筆者も蔵を見せてもらったが、さすがに築130年近く、次に大きな地震が来たらぺちゃんこになってもおかしくない様子だった。



写真)地震後の金水晶酒造店の仕込み倉の内部 ⒸJapan In-depth編集部



写真)金水晶酒造店の仕込み倉の外観。さすがに年代を感じさせる。ⒸJapan In-depth編集部



写真)地震後の金水晶酒造店の仕込み倉の内部 タンクはもう使われていなかった。ⒸJapan In-depth編集部



写真)地震後の金水晶酒造店の仕込み蔵の内部 柱を筋交いで補強している。2023年12月25日 福島市松川町 ⒸJapan In-depth編集部


一時は、「もう、蔵を畳もうか」。そう弱気になったこともある。


しかし、斎藤氏は踏みとどまった。


「新しい蔵を作ろう」。


そう決意したのだ。


■ 新しい蔵の操業に向けて


 新しい蔵は、福島市南西荒井地区にある公園施設「四季の里」のすぐ近くの一画に建てた。もともと農地のため、酒蔵への用途変更は難しいと思われたが、市も農業委員会も、市唯一の酒蔵ということで許可は予想よりスムーズに降りた。



写真)新しい蔵の前に立つ斎藤美幸社長 ⒸJapan In-depth編集部


設備は一新。最新鋭機器が並ぶ。筆者が見た時はまだ運び込んだばかりといった状態で、稼働に向けこれから準備する段階だった。順調にいけばこの春には酒造りを開始できるだろう。



写真)新しい蔵の設備 ⒸJapan In-depth編集部



写真)新しい蔵の設備を案内する斎藤美幸社長 ⒸJapan In-depth編集部


新しい蔵では日本酒以外に地元のモモやリンゴを使用したリキュールも製造する。また、新設する直売所には大型モニターを置いて日本酒や地域の情報を流すほか、試飲なども出来るようにする。


周辺にはクラフトビールのブルワリー「福島路ビール」やワイナリー「吾妻山麓醸造所」もある。


「酒蔵が集中しているところはいっぱいあるけれど、地ビールと日本酒とワイナリーが近所にあるところはなかなかないので、蔵元ツーリズムみたいな風になればいいですね」。


酒蔵の隣に市が駐車場を整備する計画もあり、地域おこしにつながれば、と斎藤氏は期待を寄せる。



 写真)新設する直売所のスペース 右奥に冷蔵ケース。左の棚には日本酒、正面には酒樽を置く計画だ。ⒸJapan In-depth編集部


■ 金水晶酒造店のこれから


 新しい蔵での酒造りに古くからの従業員もわくわくしているという。金水晶酒造店の新たな1ページが今始まろうとしている。


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