「テスラ・キラー」BYD、日本市場で攻勢強める
Japan In-depth / 2024年3月2日 16時28分
安倍宏行(Japan In-depth編集長・ジャーナリスト)
【まとめ】
・中国EV専業メーカーBYD、ミドルサイズSUV「ATTO 3」のマイナーチェンジ版発売開始。
・今年から毎年1車種以上日本市場に投入すると発表。
・PHEVモデルも豊富にあるBYD、今後日本へ投入する車種に注目。
BYDと聞いて何の会社か分かったあなたはかなりのカーマニアだ。カーマニアというのも死語かもしれないが、まぁ、ようするに車好きの方である。
BYD(ビーワイディー:中国の表記は比亜迪)は、中国のEVメーカー。2023年になんとあの米テスラを販売台数で追い抜き、EV販売台数世界NO.1の座を射止めたことでその名をとどろかせた。
といってもピンとこない人がほとんどだろう。
なにしろ、日本のEVのシェアは驚くほど低い。2023年のEVの国内販売台数(軽自動車含む)は前年比5割増の8万8535台。統計をさかのぼれる2009年以降過去最高となったのだが、乗用車全体に占める割合はたったの2.22%にとどまる。街中でEVが目につかないわけだ。
そのBYD、実は日本に上陸して早くも1年になる。その間、着々とマーケティング戦略を進めてきた。
3月1日、BYDの戦略車種でミドルサイズSUV「BYD ATTO 3(アットスリー)」のマイナーチェンジ発表会が、東京・品川であったので行ってきた。
最初に登壇したのは、ビーワイディージャパン株式会社代表取締役社長劉学亮氏。長身でスタイリッシュ。かつ、流ちょうな日本語を操り、迫力満点のプレゼンテーションはつとに有名だ。
▲写真 ビーワイディージャパン株式会社代表取締役社長劉学亮氏 ⓒJapan In-depth編集部
劉氏は世界各国のEVへの潮流を念頭に、「世界のすべての国で新たな事業展開が起きている」と強調、BYDの世界70超の国と地域における2023年のBEV+PHEVの世界販売は、前年比62%増の302万台、2024年2月までの累計が650万台に達したことを報告した。日本国内のEV販売台数と比べたら、そのすごさがわかるだろう。あのテスラですら、2023年の販売台数は約180万台だったのだ。
劉氏は、「BYDは新エネルギーテクノロジーカンパニーとして世界をリードする」と宣言。なんとなれば、BYDという会社は、再生可能エネルギーの生産・貯蔵・利用を標ぼうし、太陽光発電+蓄電システムを軸とした環境エネルギー事業を展開しているのだ。この分野でもテスラとガチンコでぶつかっている。
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