トランプ陣営の対日政策文書とは その3 日本と台湾の絆をアメリカが守る
Japan In-depth / 2024年3月7日 13時11分
古森義久(ジャーナリスト/麗澤大学特別教授)
「古森義久の内外透視」
【まとめ】
・日本と台湾の領土保全の共通性は太平洋地域でのアメリカの国益にとっても本質的に重要。
・故・安倍晋三氏は日本を、他の独立国家、主権国家と同じにするという構想を持っていた。
・岸田文雄首相らが安倍氏の遺産を確実に継続していくということとなった。
アメリカ第一政策研究所(AFPI)の対日政策文書の全文紹介を続ける。
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そのうえに日本人と台湾人は文化的、かつ近隣性の真の絆によって結ばれている。2021年の日本側の世論調査では日本国民の76%が台湾への親近感を抱き、65%が台湾を信頼する、という結果が出た。2022年の注目を集めた日本の防衛白書では台湾は「日本にとって非常に重要なパートナーであり、自由と民主主義のような同じ基本的価値観を共有している」と記されていた。
2022年7月には日本側の防衛大臣経験者2人を含む著名な国会議員たちの代表団が台湾を訪れ、総統と面会し、国家安全保障について協議した。この訪問団は台湾の初の民主的選挙で選出された元李登輝総統の墓をも訪れ、改めて弔意を表した。李登輝氏は日本語を流暢に話し、日本への親近の態度を保った政治指導者として知られている。
実際のところ、日本の台湾統治は台湾側でも一般に肯定的な体験として受け取られている。この実態は第二次世界大戦までの数十年間、アジア太平洋地域では多くの国や民族が日本の軍事的政権によって抑圧されたことにくらべれば、異色だった。台湾の学校では日本語が1895年から1945年まで「日本化」の一環として義務教育となっていた。その結果、台湾住民の多くにとって、日本語が母国語ともいえる第一の言語となっていた。
日本と台湾の領土保全の共通性は太平洋地域でのアメリカの国益にとっても本質的に重要である。日本列島と台湾は中国側が唱える、いわゆる第一列島線の北部分を形成する。アメリカ側にとっては、この第一列島線での防衛は中国の海軍と空軍が東シナ海を越えて、米軍に挑戦する能力を効果的に制限することができる。この線の壁をどの海域でも中国側が破ることを許すと、日本の防衛は抑えつけられ、孤立して外部からの支援が受けられなくなる。
第二列島線はそのカバーする地域は第一列島線より人口は希薄だが、グアム島や北マリアナ諸島のようなアメリカの戦略的かつ弱点をも抱えた領土を含み、中国軍がもしこの領域を制圧すれば、アメリカ本土への軍事脅威がそれだけ近くなる。
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