旧統一教会のニューヨークのホテルとは
Japan In-depth / 2024年3月15日 12時33分
柏原雅弘(ニューヨーク在住フリービデオグラファー)
【まとめ】
・NYの有名ホテルの所有権を虚偽の書類を提出して主張した男が逮捕された。
・「The New Yorker Hotel」のオーナーは1976年以来、米国に進出した旧統一教会。
・隣接する巨大ホール「マンハッタン・センター」も同時に購入した。
先月、2月のことだ。
ニューヨークの有名ホテルの所有権を虚偽の書類を提出して主張した男が逮捕された、というニュースが流れた。(参考:ハフィントンポスト 2024年2月17日:Man Gets Free 5-Year Hotel Via Loophole, Then Claims To Own The Building 日本版はこちら)
歴史史跡にも指定されているその有名ホテルの宿泊客が「ウソをついてホテルの所有権を主張した」というニュースで、まあ、それだけの話なのだが、ニュースの後半を聞いていて驚いてしまった。
男が「所有権を主張した」というホテルは「The New Yorker Hotel」(以下ニューヨーカー・ホテル)といい、アールデコ建築全盛期の1930年にオープンした42階建てのファッショナブルで由緒あるホテルだ。50年ほど前までは、ニューヨークで最大のホテルの一つでもあった。
1980年代から1990年代にNYに住んでいたことのある日本人には有名な話なのだが、このホテル、Unification Church of the United States、すなわち、旧統一教会(現世界平和統一家庭連合)のアメリカ支部が、前のオーナーであるアメリカの大手ホテルチェーンから1976年に格安(560万ドル)で購入、以来、米国本部として使用していたのである。(※1)
このホテルは教会の本部として改装され、名を馳せたグランドボールルームは礼拝所に、下層階は関連団体のオフィス、上層階の客室は信者の寮として利用され、最盛期には1,200人もの関係者と信者が住んでいたという。
その後、時が経ち・・・21世紀になって、建物には大手ホテルチェーンの名前の看板が掲げられた。
▲写真 旧統一教会がいまも所有する「ニューヨーカー・ホテル」。遠くにエンパイア・ステートビル、ホテルの向かいは「マディソン・スクエア・ガーデン」、隣は巨大鉄道ターミナルの「ペン・ステーション」。西にはNY最大のイベント会場「ジャービッツ・センター」があって、これ以上無い絶好のロケーション。(筆者撮影)
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