旧統一教会のニューヨークのホテルとは

「マンハッタン・センター」は、1997年に大改装工事が行われ、今は大きなイベントを中心に使われている。日本の大企業の世界向けの製品発表会や、日本の歌手のコンサート、大きな団体のイベントなどにも使われたこともある。

▲写真　筆者が取材で訪れた、文孝進が死去する一ヶ月前の2008年2月5日に「マンハッタン・センター」で行われた、民主党、ヒラリー・クリントンのスーパーチューズデーに集まった報道陣。（筆者撮影）

「マンハッタン・センター」も「ニューヨーカー・ホテル」も、旧統一教会は、経営を他に任せることによって、その後、表舞台からは姿を消した。

他にも、アメリカにおける教会関連、とされていた施設、団体は、数えきれないくらいあるが、詳しい実態は不明である。

現在の「世界平和統一家庭連合(Family Federation for World Peace and Unification)」の本部は、マンハッタン、グランド・セントラル駅の近くにある。こちらには関連する団体ばかりが入居する。

▲写真　現「世界平和統一家庭連合」本部ビル。グランドセントラル駅に近い。（筆者撮影）

これを書いていて思い出したのは、私が、「ニューヨーカー・ホテル」の前で追い払われていた当時の、1995年に発生した地下鉄サリン事件である。

今の旧統一教会のビルから歩いて数分の場所には、当時、オウム真理教のアメリカ本部オフィスがあった。（※7）

サリン事件の衝撃はアメリカでも凄まじく、私も含めたメディアがそこに殺到した。とは言え、本部とされたビルの一室は、普通のアパートで、かなり拍子抜けしたのも覚えている。

オウム真理教によるこの事件を境に、日本での統一教会に関する報道は急速にしぼんで行き、私もそれ以降「ニューヨーカー・ホテル」に足を運ぶことはなくなったのであった。

動画はこちら

https://youtu.be/0Z0sl_PVBRU

（文中敬称略）

＜参考資料、及び引用＞

※1「文鮮明のセクト」がニューヨーカーホテルを購入、の1976年のニューヨークタイムズの記事

Sun Myung Moon Sect Buys New Yorker Hotel - The New York Times

※2「週刊文春」1993年7月29日号、ｐ38-41「六マリアの悲劇」サイトから引用

https://六マリアの悲劇.com/7-統一教会に入信して殺されたわが兄/