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「令和5年の年賀状」団塊の世代の物語(7)

Japan In-depth / 2024年8月16日 23時5分

そして、池谷氏は宮沢賢治の『春と修羅』という詩集の序を引用する。





「わたしという現象は





仮定された有機交流電燈の





ひとつの青い照明です





(あらゆる透明な幽霊の複合体)」





現在、私は『テクノ・リバタリアン』(橘玲 文春新書 2024年刊)、『統計学の極意』(デイヴィッド・シュピーゲルハルター 草思社 2024年)、そして『弱い円の正体 仮面の黒字国・日本』(唐鎌大輔 日本経済新聞出版 2024年)などを並行して読んでいる。





すべて、元気でいるおかげである。運動と加齢への抵抗がそれを可能にしている。





私の最近の口癖は、「2050年になると、人は100歳まで働き120歳まで生きる」である。私は1949年生まれだから、そのなかに入ることができるつもりなのである。個々の生命は宇宙のエントロピー増大の法則に寄与しているにすぎないにしても、私個人にとっては大問題なのである。その個人が「透明な幽霊の複合体」に過ぎないかどうかは、私の知ったことではない、とでもいう心境である。知り得ることではないから考えない、というほうが正直かもしれない。





常に楽観的な人間ではあるが、もちろん、ものごとがその考えどおりになるかどうかはわからない。





『日本の生き残る道』(幻冬舎 2022年刊)という本には、素晴らしい後日談がある。私は出版直後、いつもの習慣どおり畏友の丹呉泰健氏にこの本を差し上げた。彼はすぐに読んでくれ、電話をくれた。





電話口で彼は勢い込むようにして言ってくれた。





「君の書いているとおりだよ。」





そして日本の復活のための3つの重要なポイントをあげた。





一つ、政治頼みではダメ。





二つ、コーポレートガバナンスしかない。





三つ、海外の力も借りていい。





明快であった。私はこれを「丹呉3原則」と呼んでいる。





その彼が、その友人の山口廣秀元日銀副総裁を介して、私が経団連の十倉会長と会うようにアレンジしてくれ、おかげで私は十倉会長にお招きいただき経団連で講演をすることになった。もちろん私は喜び勇んで「丹呉3原則」についてお話をさせていただいた。





丹呉3原則については、いつでも、どこでも、どなたにもお話させていただく。メディアの方はもちろん、政治家にもビジネスに関わる方にも、だ。一介の弁護士に過ぎない私は、日本のエリート中のエリートである丹呉氏に褒められたことを単純に我が自信の源としている。その『日本の生き残る道』に収めた朝日新聞連載の『経済気象台』というコラムは、匿名コラムだったので私の考えを自由に書くことができた。90回分をまとめて一冊にするについては、発行元である幻冬舎の見城徹社長が名付け親になってくれた。私の本の多くは、最初の『株主総会』をはじめ、多くが彼の命名による。





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