発見から40年!ピロリ菌が今また注目されているワケとは
Japan In-depth / 2024年8月28日 12時51分
2022年に私たちが618名の中学生保護者に行ったアンケート調査[4]では、86.4%の方が子供に対するピロリ菌検診の実施を支持していました。理由としては“そのような機会があるなら受けたい”、“ピロリ菌の検査は必要だと思う”、“費用の負担がないため”、“家族がピロリ菌の検査を受けたことがあるから”といったものでした。子供に対するピロリ菌検診の保護者の間での支持は非常に高いことが分かります。
ではなぜ受診率が高くないのかという疑問がありますが、実際に保護者の方に電話などでお話を伺うと、「このような検診はぜひ続けて欲しい」という声をもらう一方で、検体を出し忘れてしまう、仕事が忙しくて病院に連れて行けないなどの理由で検査を逃していることがあるようでした。中学生という普段医療に関わりにくい世代に、どのように検診を提供するかについては、このような利便性も含めて制度を整える必要があると実感しています。
日本の若い世代では感染率が減少しているピロリ菌ですが、胃癌の撲滅に向けては、検診参加率の増加の方法や最適な検診の枠組みづくりなどまだまだ取り組んでいかないことが多いと思っています。
-引用文献-
1. Uemura N, Okamoto S, Yamamoto S, Matsumura N, Yamaguchi S, Yamakido M, et al. Helicobacter pylori infection and the development of gastric cancer. N Engl J Med. 2001;345: 784–789.
2. Fukase K, Kato M, Kikuchi S, Inoue K, Uemura N, Okamoto S, et al. Effect of eradication of Helicobacter pylori on incidence of metachronous gastric carcinoma after endoscopic resection of early gastric cancer: an open-label, randomised controlled trial. Lancet. 2008;372: 392–397.
3. Ford AC, Yuan Y, Moayyedi P. Helicobacter pylori eradication therapy to prevent gastric cancer: systematic review and meta-analysis. Gut. 2020;69: 2113–2121.
この記事に関連するニュース
-
がん予防の実現に向けて
PR TIMES / 2024年11月21日 19時15分
-
40代以上が特に怖いと回答したがん種1位は「すい臓がん」、気をつけるべきリスクファクターは?
マイナビニュース / 2024年11月11日 16時37分
-
どんな人が『大腸がん』になるの? - 大腸がん最前線について、専門医師が解説した
マイナビニュース / 2024年11月6日 13時16分
-
食道がんのリスクを"ほぼ確実"に低下させる…最新研究で分かった"長生きするために必要な食べ物"の真実
プレジデントオンライン / 2024年11月3日 9時15分
-
【調査レポート】40代以上が怖いと思うがん種1位の「すい臓がん」
PR TIMES / 2024年10月31日 10時15分
ランキング
-
1「スギ薬局」が別患者の薬混入し女性死亡 遺族に調剤ミス認め、4000万円支払いで和解
産経ニュース / 2024年11月22日 17時29分
-
2大阪・貝塚市の港 両脚縛られた遺体は大阪市の26歳男性と判明 両親は「将来の夢を持って、毎日頑張っていた」
MBSニュース / 2024年11月22日 16時5分
-
3【判決】“不倫を続けるため殺害” 妻と1歳の娘を殺害した男に無期懲役 裁判長「酌むべき点は皆無」と断罪 《新潟》
TeNYテレビ新潟 / 2024年11月22日 19時22分
-
4日本一の納豆は?消費量が全国46位の大阪で『全国納豆鑑評会』 会長「納豆のおいしさに、まだ目覚めていただいていない」
MBSニュース / 2024年11月22日 18時0分
-
5新潟市南区妻子殺害事件 被告の男に無期懲役の判決 新潟地裁
BSN新潟放送 / 2024年11月22日 15時2分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください