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蒼(あお)を生きる―東大を訴えた青年の今―

Japan In-depth / 2024年8月30日 11時9分

暗中模索の時期を経て、本人から受ける印象も少しずつ変わっていきました。





先に日頃のやり取りで何度か不安を抱くことがあったと書きましたが、会社の立ち上げ以降は返信が滞ることも減り、締切を提示すれば期限もきちんと守ってくれることが増えていきました。





会社の創業メンバーである吉村弘記さんも、杉浦さんに同様の変化を感じていたようで、「訴訟では色々な人に支えられたこともあり、周囲への感謝が芽生え、人のために何かをするという意識が強くなったのではないか」と語っています。





本来よりも1つ下の学年で医学部に進級した当初、杉浦さんはどこか浮かない表情で、医学部の同級生から「周囲は杉浦について、裁判の一件を全く気にせず、普通に扱っている。ただ学校での本人は暗く、『本当は自分たちと学びたくないんじゃないか』と思うことがある」と話を聞くこともありました。





しかし、24年の夏頃からは、表情も明るくなっていきました。杉浦さん本人も「とくに解剖学実習は、医学をやっている実感があります。班に分かれてご献体の解剖を行いますが、手を動かすと勉強になりますし、班員も素敵な子ばかりで楽しくやっています」と、学校の様子を楽し気に話してくれます。





冒頭でも記しましたが、留年訴訟では敗訴となったものの、新聞報道をめぐり東京大学が「当該学生(杉浦さん)の自己認識と主張が誤ったものである」などと記した文書(批判文書)をHPに掲載したことをめぐる裁判は現在も継続しており、24年10月28日(13時10分~)には、東京地裁7階705法廷で判決が言い渡される予定です。





2回目の訴訟判決を経て、杉浦さんの人生は、どのような方向に進んで行くのか。法廷でも法廷の外でも、その行方を見守り続けたいと思っています。





(注1)





Vol.23061 週刊誌記者が見た、東大を訴えた青年の素顔 | MRIC by 医療ガバナンス学会 (2023年4月5日配信)





この記事は、「Vol.24164 蒼(あお)を生きる ―東大を訴えた青年の今― MRIC by 医療ガバナンス学会」の転載です。





トップ写真:杉浦蒼大氏、東京大学医学部授業棟前にて(筆者提供)




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