【自民党総裁選挙】6 河野太郎氏「政策分析」と「人事評価」
Japan In-depth / 2024年9月24日 15時0分
西村健(NPO法人日本公共利益研究所代表)
【まとめ】
・河野氏の政策の特徴は、デジタル技術の導入で公共サービスの効率化の道筋を提示していること。
・日本経済再生のビジョンとして、労働市場改革を強調、雇用の流動化を明確に主張。
・課題は、デジタル庁の「自治体情報システム標準化」のシステム開発業務が自治体で遅れていること。
行政改革の体現者。
小さな政府、規制改革の信奉者。
デジタル政策をとにかく実行していくDX伝導者。
日本経済再生を促すイノベーター。
リアリスティックで柔軟な発想を持つ自由主義者。
1996年に三重県で事務事業評価が導入され始まって以来、政策評価法など数々の行革が約30年行われてきた。なかなか変わらない行政システムに挑戦し、SNSを駆使し、結果を残してきた人がいる。そう河野太郎さんである。「限りある資源を真に必要な部分に効率的に配分」という、経営感覚を持つ人がやっと首相候補の舞台にたどり着いた。
行政の事業において、事業の目的はあいまいで、効果測定方法も明確でなく、効果がでているのか疑問がある事業がたくさん、本当に数多く存在する。そうした行政の根本的な問題に対して強い改革意識を持ち、エビデンスに基づく政策推進(EBPM)への執念を強く持っている男が河野さんである。彼に会ったのは、日本評価学会のイベントだと記憶している。「(筆者の専門である)政策評価は使えない」と目の前で断言され、私は言い返せなかったことは苦い思い出である。正直イラっときたが、その後の事業仕分け、行政事業レビュー、デジタル行財政改革など「改革」を成し遂げてきた。発想の斬新さや過激さと発言で大変誤解されやすいが、河野さんは今回、日本を立て直すプランを提示してきた。
◆ 河野太郎氏とは
1963年1月10日に神奈川県平塚市で生まれた。父親は元自民党総裁、衆議院議員の河野洋平さん、祖父は副総理や建設大臣を歴任した河野一郎さん、祖母の父も衆議院議員である田川平三郎さん。母方の曽祖父は伊藤忠商事創設者の伊藤忠兵衛さん。血液型O型、弟がいる。平塚市立花水小学校を卒業し、慶應義塾中等部に進学。エスカレーターで慶應義塾高等学校に進学。競走部(陸上競技部)に入って主将を務めるなど熱心に活動したそう。現在もランナーである。高校卒業後、慶應義塾大学経済学部に入学したが、2ヶ月で退学して渡米。その後、1982年9月にアメリカのジョージタウン大学に進学、1985年12月に卒業した。1986年、富士ゼロックスに入社、シンガポールの富士ゼロックスアジアパシフィックでも勤務。1993年、電機メーカーの日本端子に。サラリーマン生活もそれなりに長く、転職も経験している。1996年、衆議院議員選挙に出馬、初当選。その後、当選を重ね、外務大臣、防衛大臣、規制改革担当大臣など、さまざまな重要な役職を歴任した。
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